Groholski氏によると、Sunはすべてのスレッドを統合したパフォーマンスの向上に力点を置いてはいるが、シングルスレッドの性能向上にも取り組んでいるということだ。たとえば、Niagara IIでは、「浮動小数点演算ユニット(FPU)」と呼ばれる数学計算エンジンが、コアごとに組み込まれている。初代のNiagaraの8つのコアが1つのFPUを共有しているのとは大きな違いだ。また、各コアには「ストリーム処理ユニット」も組み込まれており、さまざまな暗号化、復号化処理にかかる速度が向上している。
「フリーな暗号化とでも呼ぶべきものが可能になる」とGroholski氏は言う。つまり、ユーザーはネットワーク上のトラフィックを暗号化するためにパフォーマンスを犠牲にする必要がなくなるということだ。
また、Niagara IIにはサーバの信頼性を高める機能も盛り込まれるとGroholski氏は言う。具体的には、多数のエラーが検出されると、個別のスレッド、個別のスレッドグループ、さらには個別のコア全体を、自動的に停止することができる。「1つの物理コア全体をオフラインにしても、残りの56のスレッドはそのまま動作し続けられる」とGroholski氏は説明する。
Niagaraの重要なポイントの1つは、動作時の消費電力を抑えることができる点だ。増えつづける排熱に対応しなければならない現在のデータセンター運営者にとって、消費電力は大きな問題となっている。Groholski氏によれば、Niagara IIではエネルギーを効率よく利用するための取り組みがさらに強化されているという。
具体的には、ソフトウェアによってNiagara IIの処理速度を抑えたりその一部を停止させたりすることで、Niagara IIの消費電力を制御できる。「ソフトウェアによって、スレッドやコアを停止させ、熱設計の制約に適合するように調整することが可能なのだ」とGroholski氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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