Sun Microsystemsはすでに、次期プロセッサ「Niagara II」のプロトタイプを搭載したサーバで「Solaris」OSを稼働している。同社は、「SPARC」プロセッサ製品群の需要を回復させるための切り札として、Niagara IIを投入する考えだ。
Sunはこの数カ月で、初代Niagara(正式名称「UltraSPARC T1」)を「Sun Fire T1000」および「Sun Fire T2000」サーバに搭載し、出荷開始している。Niagara IIも初代Niagaraと同様、70ワットという比較的低い消費電力を維持しつつ、野心的な設計の要素、マルチプロセッシングコア、実行スレッドなどを拡張している。
Sunの広報担当者Alex Plant氏によると、Niagara II搭載システムの立ち上げは、8月後半か9月初めという当初の予定より約3カ月早く、米国時間5月26日に行われたという。ただし、同プロセッサを搭載するシステムの出荷開始予定は、2007年から変更はないと、Plant氏は述べた。
Sunは、SPARC製品群のてこ入れと、Advanced Micro Devices(AMD)製プロセッサ採用によるx86サーバ市場への参入の両面展開により、サーバ事業の業績回復に賭けている。同社は、ドットコムバブルがはじけてから数年のあいだに、IBMやDell、Hewlett-Packard(HP)に市場シェアを奪われてきた。
Niagaraにはプロセッサコアが8個あり、それぞれが4つの独立した「スレッド」と呼ばれる命令シーケンスを実行できる。Niagara IIも同じくコアは8個だが、それぞれが実行可能なスレッド数が8に増える。最初のスレッドが比較的遅いメモリからデータを呼び出すことになり処理速度が落ちた場合、プロセッサコアは処理を次のスレッドに移す。これは、個々のスレッドの速度よりも、複数のタスクを同時に処理する総合的なパフォーマンスを重視した設計と言える。
さらにNiagara IIは、10Gbpsのイーサネットネットワークを内蔵し、数学計算を速くする複数の浮動小数点ユニットと、暗号化および暗号解読の新機能を備える。なお、Niagara IIはデュアルプロセッササーバ向けの設計となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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