ブロードバンドプロバイダであるQwest Communications Internationalは米国時間8月23日、同社弁護士の1人がインターネットプロバイダに顧客の行動の記録を義務付ける法案を支持すると述べたのは誤りであったと発表した。
Qwestの企業内弁護士兼最高プライバシー責任者(CPO)のJennifer Mardosz氏は、CNET News.comとのインタビューの中で、コロラド州アスペンで開催されたProgress and Freedom Foundation主催の8月22日のパネルディスカッションにおいて誤った発言があったことを認めた。
Mardosz氏は、「全く誤った発言をしてしまった」と述べた。パネルディスカッションにおいて同氏は、QwestはDiana DeGette下院議員(コロラド州選出、民主党)が提出したデータ保持を義務付ける法案を「全面的に」支持する、と発言していた。Alberto Gonzales司法長官もデータ保持は、テロや児童労働搾取に対する捜査に役立つと述べていた。
同氏は、データ保持法案の支持から一転して、Qwestは議会による義務付けに懐疑的であると述べた。「企業は既に必要な措置を取っているのだから、義務付ける理由は何もない」(Mardosz氏)
8月22日のパネルディスカッションで同氏は、「データ保持法案を支持する」と明言していた。ある業界筋によると、Qwestは2006年に入ってから、データ保持法案を支持していたという。この人物は報道陣に対して発言する権限を持たないため、匿名を条件に語ってくれた。
今回の発言撤回により、Qwestもそのほかの通信企業と同じ立場に立ったことになる。これらの企業は、既に犯罪捜査には協力するよう法律により義務付けられているとして、それ以上の新たな義務付けに対する懸念を表明していた。コロラド州デンバーに拠点を置くQwestは、時価総額165億ドルを誇り、現在の顧客数は、無線サービスの顧客が78万4000人、DSL(デジタル加入者線)サービスの顧客が170万人だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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