5カ月前にGoogleに買収されたWritelyのオンラインワードプロセッサが、希望者全員を対象に申し込みと利用開始の受付を開始した。
Writelyは、3月にGoogleによって買収されて以降、これまで既存メンバー以外は利用することができなかった。しかしGoogleは、米国時間8月17日からはだれでもこのウェブベースのワードプロセッサの利用を申し込めるようにした。
Writelyはウェブベースのワードプロセッサパッケージで、オンラインでドキュメントを編集および出版できる。同パッケージは、ソフトウェアエンジニアのSam Schillace氏、Steve Newman氏、そしてClaudia Carpenter氏によって設立されたシリコンバレーのソフトウェア開発会社が開発した。
今回の対応があるまで、GoogleがMicrosoftの生産性スイート「Office」に挑戦するのかどうかを巡り、さまざまな憶測が流れていた。2005年10月には、GoogleがSun Microsystemsと提携したことで、両社がOpenOffice.org関連で協力し、ウェブベースのプリケーションスイートを開発するのではないか、という憶測も流れた。しかし両社は、OpenOffice、Java、OpenSolaris、そしてGoogle Toolbarでの協力を発表するにとどまった。
Googleは、Writelyを傘下に収め、自社独自のスプレッドシートやカレンダーサービス、そしてGmail電子メールアプリケーションを投入しているが、各種要素を統合してOfficeに対抗するような動きはあまり見せていない。
ウェブベースのオフィス生産性製品市場に製品を投入しているのはGoogleだけではない。ほかにも、AdventNetのZoho、SilverofficeのGoffice、ThinkFree、そしてNatiumのFlysuiteなどがあり、これらのいずれもが、現在Microsoft Officeが独占する大規模な同市場で一定のシェアを確保したい考えだ。
ThinkFreeの最高経営責任者(CEO)兼創業者のT.J. Kang氏は先ごろZDNet UKに対し、ウェブベース製品ベンダー各社は、Microsoftが参入に消極的なニッチに対応することに関心はあるものの、同社と直接競合することには関心がない、と断言した。
「Googleは何でも無償で提供できることを証明して見せたが、Microsoftにそれはできない。自ら進んで破壊的変化を進めることは困難だ。彼らは時間稼ぎをするだろうし、ウェブベースモデルの拡大も口先だけだろうし、彼らが積極的もしくは創造的になることはないと思う」とKang氏は語っている。
ウェブベース製品ベンダーの大半が当初ターゲットにするのは学生や家庭のユーザーだが、Microsoft Officeに代わるオンライン代替製品が増加してくれば、機密データをファイアウォール内にとどめておきたい大企業にとってセキュリティの問題がさらに増加する可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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