Googleが米国時間6月6日、ウェブベースの表計算プログラムの限定テストを開始した。同社がMicrosoftの牙城「Microsoft Office」をも視野にいれ始めたことが、これでさらに明確になった。今問われるのは、Microsoftはこの動きに不安を感じるべきなのかどうかだ。
Googleは5日、2006年4月に立ち上げた「Google Calendar」や2年前に立ち上げた「Gmail」など、同社が既に展開中の一連のウェブベース生産性アプリケーションに加えて「Google Spreadsheets」を公開することを明らかにした。
2006年3月に同社は、複数のユーザーが一緒に使えるブラウザ上で動くワードプロセッサ「Writely」を取得した。この製品に関する計画を同社はまだ明らかにしておらず、同製品は現在ベータ版としてテスト中である。
しかし、さまざまな動きから見ても、GoogleがMicrosoft帝国の基盤であるOfficeアプリケーションのウェブベース版を静かに提供し始めていることに疑いはない。
「この動きは、GoogleがMicrosoftの領域に1歩踏み込むことを意味するとともに、広告を中心としたGoogleの収入源を絶つための新たな理由をMicrosoftに与えることになる」とアナリスト会社Directions on MicrosoftのリサーチディレクターRob Helm氏は言う。
一方で、Microsoftは「Windows Live」と「Office Live」などのWebサービスに力をいれるべく事業を見直し、またGoogleの収入の柱である広告市場に切り込むべく広告技術の再整備を進めている。
Search Engine Watch.com編集者のDanny Sullivan氏は、Google Spreadsheetsはまだ一度も表計算プログラムを使ったことのないユーザーに注目されるだろうと言う。
Sullivan氏は「これ(Googleの製品)を使えば、すべてのMicrosoft製品を使う必要がなくなるかもしれない。Googleは全製品をひとまとめにした」と述べる。「これらは基本的なツールだ。ユーザーがすぐに乗り換えることにはならないだろうが、ソフトウェアにお金を使いたくない人や拡張機能にお金を払う必要の無い一部のユーザーにとっては、非常に魅力的な製品となるだろう」(Sullivan氏)
高機能を求めるユーザーは限られた機能しか持たないGoogle Spreadsheetsを使いたがらないだろうと、他のアナリストも考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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