都市全域を網羅するネットワークの構築にTropos Networksの機器を採用している都市では、今秋から回線容量がアップするかもしれない。同社が次世代ワイヤレス機器を発売する予定だからだ。
Troposは米国時間8月17日、回線容量を50%増加させる新たな無線機器を発表した。同社の機器はフィラデルフィア、サンフランシスコ、ニューオーリンズの各都市において市全域をカバーするWi-Fi網を構築するために使用されている。
回線容量の拡大により、すでに従来のTropos機器をネットワークの構築に利用しているEarthLinkなどのネットワーク事業者は、個人利用者の利用できる回線容量を増加させるか、無線ルータ1台あたりがサポートする人数を増やすことができる。
新製品は「Tropos 5320 Outdoor MetroMesh Router」と呼ばれ、信号の伝送に1つだけでなく、2つの周波数帯を利用する。1つの周波数帯は5GHz帯である。この周波数帯は、ルータをメッシュネットワークに接続するためだけに使われる。5GHz帯は高周波数帯であるため、より多くの回線容量を伝送することができるが、壁などを通過しづらいなどの難点もある。その結果5GHz帯は主に見通し環境(LOS)でのアプリケーションに利用されている。
Troposの新ルータが動作するもう1つの周波数帯は2.4GHzである。これは旧世代のTropos機器と同じだ。2.4GHz帯は利用者にネットワーク接続を提供するために使用される。また同帯域は5GHzでカバーできなかった部分のルータ間接続にも使用することができる。
次世代機器は10月に発売される予定である。同社はこの製品をテストしている顧客名をまだ明らかにしていない。同社によると、この機器によりTroposネットワークの構築コストが約30%増加するかもしれないという。しかし同社幹部は、顧客は従来の製品も使い続けることができると述べている。
「顧客が新機器を従来機器と組み合わせて使うことを、われわれは期待している」とTroposのマーケティングディレクターを務めるBert Williams氏は言う。「これがどう機能するかを示すのに、サンフランシスコはちょうど良い例となろう。5320台の新ルータは、人口密度の高いエリアでサービスを提供するために使用し、5210台の従来のルータは、都市公園の近くといった人口密度の低いエリアで使用することができる」(Williams氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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