NSAプログラム無効判決やICANNとの契約延長--米政界とハイテク業界、先週の動き

文:Steven Musil(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年08月21日 20時05分

 ブッシュ政権が認可した、裁判所の令状なしにインターネットや電話の会話を傍受する監視プログラムは米国憲法に違反しており、ただちに中止すべきとする裁判所の判決が下り、ホワイトハウスは苦しい立場に立たされた。

 この画期的判決で、デトロイト連邦地方裁判所のAnna Diggs Taylor判事は、一時は秘匿されていた国家安全保障局(NSA)のプログラムに対する無効判決を下した初の判事となった。アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union:ACLU)とそのクライアントの全面勝訴となった同判決により、2005年12月にNew York Times紙が同プロジェクトの存在を暴露して以来、ブッシュ政権が同プログラムを擁護するために提示してきたいくつかの主要な法的主張は完全に打ち砕かれたかに見える。ACLUのクライアントには、刑事弁護士、ジャーナリスト、イスラム系アメリカ人、学者らの団体が含まれている。

 一方、米政府はIPアドレスやドメイン名などの標準化や割り当てを行っている非営利組織Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)との契約を更新した。これにより、同組織に対する米政府の支配は最長で2011年まで延長された。この新契約は、インターネットドメイン名システム(DNS)に関する技術的機能をカバーしており、前契約満了日の翌日の10月1日に発効予定だ。

 厳密に言えば、同契約の期間は1年間だが、米政府は毎年契約を更新し、最長で4年間の延長が可能だ。ブッシュ政権はインターネットの「根幹」ともいえる、承認済みトップレベルドメインがリストアップされたマスターファイルに対する支配権を維持する計画を主張すると同時に、ICANNに対する監督権も維持する計画であることを明らかにした。

 無線タグが組み込まれた米国のパスポートの第一弾の発給が間もなく開始されるが、この電子パスポートに対しては、プライバシーやセキュリティの問題を懸念する声が根強い。ラスベガスで開催された2つのセキュリティカンファレンスで、研究者らが新パスポートに関する潜在的リスクを実証して間もなく、米国務省は、新パスポートは偽造や改ざんが不可能である点を強調し、すでに同パスポートの作成を開始したことを明らかにした。

 国務省は元々、2006年10月までに今後発行する全てのパスポートを電子化する計画を立てていたが、その一環として、向こう数カ月以内に米国の他のパスポートセンターを通じてパスポートを発給する予定であると発表した。米国時間8月14日に国務省の関係者が、同省は2006年末までに計1300万冊のパスポートを発給予定であることを明らかにしたが、実際、年内に何冊の電子パスポートが郵送されるかは定かではない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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