Microsoftはよく自社製品を使用していることを自慢する。そんな同社はこの2年間、社外でMicrosoftの製品がどう使われているのかを理解しようと取り組んでいる。
Microsoftは自社のソフトウェアをいち早く採用することで有名だ。同社のベータ製品の多くはMicrosoft内で広範に配備されている。しかし同社は数年前に、自社の物の見方が社外では通用しない可能性があることに気付いた。そのため、デスクトップマネジメントの業務を複数の企業から請け負うことを決定した。
Microsoftの取り組みは2005年3月に、バッテリーメーカーEnergizerでのデスクトップPC管理業務を請け負うことに合意して以来、ひっそりと始まっている。また同社は2006年に入り、2番目の顧客としてXL Capitalも加わったと、Directions on MicrosoftのアナリストであるPaul DeGroot氏は述べている。
「基本的にはEnergizerと似たような契約だと聞いている」とDeGroot氏は言う。この件についてMicrosoftとXL Capitalにコメントを求めたが、関係者からは返答を得られていない。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、同社が2005年に主催したパートナーカンファレンスを前に電子メールによる取材に応じ、この取り組みはEnergizerに限られるものではないと述べていた。
「さらに数社が関わることになるであろう。これまではこうした手間を省いてきてしまったが、他社においてわが社のIT環境を実現し、手を取り合って技術を管理する予定だ」とBallmer氏は述べていた。「試験期間を経て、どのような結果が出るかをみていくつもりである」(Ballmer氏)
しかし一部の提携企業は、この取り組みがMicrosoftをどのように方向付けることになるかと懸念している。Ballmer氏は、同社が最終的にどこに行き着くかはまだわからないと言う。
「この経験から学んだ後は、これらのサービスを製品化する方法を解明できるであろう」とBallmer氏は2005年のパートナーカンファレンスにおいて述べている。「一部はわが社が作り出し、他社がカスタマイズすることになるかもしれない。あるいは、他社に習得した事柄の全てを引き渡し、この製品サービスの運用方法を伝えることになるかもしれない」(Ballmer氏)
DeGroot氏によると、今回の取り組みで、Microsoftが自社に相談がなかったことに失望している提携企業もいるという。同氏は最近、ある提携企業がこのように語るのを聞いた。「Microsoftは、顧客がデスクトップマネジメントで直面する問題について多くのことを本当に知りたいというのであれば、わが社に頼むべきであった。わが社は非常に数多くのデスクトップで作業している」
Microsoftは7月に同社のウェブサイトに掲載したケーススタディのなかで、Energizerとの取り組みについて、作業は進行中と表現していた。同社は、いくつかのプロジェクトがまだ試験段階にあり、デスクトップマネジメントや「SharePoint」ベースのポータルへの移行などの取り組みを一部完了したに過ぎないと述べた。
一方でEnergizerの最高情報責任者(CIO)を務めるRandy Benz氏は、Microsoftに助けを求める前に、同社は苦境に陥っていたと述べている。
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