「著作権を侵害しているコンテンツはできるだけ早い時点で削除するようにしている」とGoogleの広報担当は説明する。「今後も、DMCAの規定に従って、違反するビデオを削除していく」(同広報担当)
YouTubeは、Voltz氏の要求に応じて2つのメントスビデオクリップを削除し、またビデオクリップを検索するツールを使用するように同氏に勧めたという。このツールは、著作権所有者によるサイトの監視を支援する目的で設計されたものだ。しかし、「Voltz氏は拒否した」とLevine氏は言う。
Levine氏は、同社の取り下げ手順は業界で最高のものだと信じている、と語った。
「われわれは、DMCAの規定に則った取り下げ手順に従って、コンテンツ所有者の取り下げ要求に対し、極めて迅速かつ協力的に、誠心誠意対応している」とLevine氏は主張する。
YouTubeは著作権違反のビデオが再投稿されないように「ハッシュ」と呼ばれる対策も実施している。ハッシュとは、著作権所有者からの要求で削除されたすべてのビデオファイルに付ける一意な識別マークのことだ。これにより、サイトにまったく同じビデオが再掲されるのを防ぐことができる。
それでも、この記事の執筆時点で、YouTube にはメントスビデオのコピーが依然として掲載されており、10万回以上ダウンロードされている。
「ビデオを投稿する人たちには何も問題はない」とVoltz氏は言う。「彼らは単なるファンに過ぎない。私がイライラを感じるのは、YouTubeやGoogleにビデオを削除してくれと依頼するときだ。『どうか、私のコンテンツを投稿しないでください』と私が依頼した時点で、確実に投稿を阻止する仕組みを彼らは用意する必要がある」(Voltz氏)
電子フロンティア財団(EFF)所属の弁護士Fred von Lohmann氏によると、法的な観点からみて、Voltz氏の主張には議論の余地があるという。
法律は、YouTube、Craigslist、eBayに対して、サイトを監視する責任を負うことまでは要求していない、とLohmann氏は指摘する。YouTubeには毎日5万件を超えるビデオがアップロードされる。こうしたサイトで、すべての投稿について合法性を確認するのは不可能だ。その代わり、サイトは違法の投稿ビデオを削除する責任を負う。著作権所有者はサイトに(違法な投稿がされていることを)通知する責任を負う。
「これは実世界と何ら変わりない」とLohmann氏は指摘する。たとえば、レコード会社やアパレルメーカーがコピー商品を見つけるためには、フリーマーケットなどを歩いて回る必要がある。
YouTube側の主張を強固なものにしているのは、同社が、サイトに違法コンテンツが投稿されないように対策を講じている点だ。まず、YouTubeでは、コンテンツをストリームで流すだけにして、動画がダウンロードされないようにしている(ただし、これを迂回してダウンロードする方法を考え出した者がいるようだが)。さらには、投稿可能なビデオの長さを10分に制限して、テレビ番組や映画全体をアップロードさせないようにしている。
YouTubeは他にも対策を講じてくるだろう、とLohmann氏は語った。「サイト内でも頻繁に警告し、取り下げ処理もさらに改善してくることは間違いない」(Lohmann氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス