AOLが無料のウイルス対策ソフトウェアをリリースした。すでに普及しているセキュリティソフトウェアの代替となり得る、高機能な製品だ。
AOLが米国時間8月7日に発表したところによると、「Active Virus Shield」は、ウイルスおよびスパイウェアやその他の悪質なソフトウェアに対して、基本的な保護機能を提供するものだという。同製品は、AOLのインターネットアクセスサービスの会員だけでなく、すべてのインターネットユーザーが利用できる。
同社の関係者は、CNET News.comが行った電子メールによるインタビューの中で、「ウイルス対策保護は非常に重要な機能であり、有料化すべきではない。すべてのユーザーがウイルスやスパイウェアから守られている状態を作り出すのがわれわれの使命だ。Active Virus Shieldを無料化することで、インターネットがあらゆる人にとって安全な場所になると考えている」と語った。
この保護ツールは、高い評価を得ているロシアのウイルス対策ソフトウェアメーカーKaspersky Labの協力の下で提供されている。
無料で配布されているウイルス対策製品はほかにも存在するが、Active Virus Shieldは、SymantecやMcAfee、Microsoftといったベンダー製品に取って代わる可能性のある非常に機能性の高い製品だ。無料ウイルス対策製品の例としては、Grisoftの「AVG Anti-Virus」や、オープンソースの「Clam AntiVirus」エンジンを利用した「ClamWin」などが挙げられる。
AOLとNational Cyber Security Allianceは2005年12月、対象ユーザーの56%がウイルス対策を施していないか、1週間以内にウイルス対策製品の更新を行っていないとする調査結果を発表した。こうした現状は、セキュリティ上の深刻な脅威となっていると考えられる。
Active Virus Shieldは無料で提供されるものの、同製品を利用する場合は、AOLや同社のパートナーが広告を表示することに同意しなければならない。同ソフトウェアのユーザーライセンス同意書には、「本ソフトウェアの利用に際し、利用者は、AOLとAOLの協力企業による広告表示および定期的な電子メール送信に同意する必要がある」と記されている。
Active Virus Shieldは、同製品のダウンロードおよび実行に不可欠な電子メールアドレスをはじめとする、マーケティングに流用可能な種々の情報を収集するという。同意書には、このほかにも、製品の使用状況や広告への反応状況、使用PCの詳細情報などが収集されることが明記されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」