「Microsoftは依然としてWindowsプラットフォームが自社の強みであると語っているが、現実に目を向けると、プラットフォーム議論は終わっている。ライセンス取得企業は、そのことに対応し始める必要がある」とJupiterResearchのアナリストであるMichael Gartenberg氏は、21日に同氏のブログのなかで述べている。
Microsoftは、この問題はそれほど白黒はっきりしたものではないと言う。同社はWindows Media技術を中心に置く他社製品の促進を継続するつもりであると、述べている。
「一企業として、われわれはその戦略にコミットし続ける」と某Microsoft関係者は24日に述べた。「両方のアプローチをとる余地がある」(同関係者)
機器メーカーのiRiverは、技術パートナーと競合しなければならないことが悪いことだとは考えていない。
iRiver Americaの最高経営責任者(CEO)を務めるJonathan Sasse氏は、たとえ競合企業がわずかな利益しか得られなかったとしても、近年のAppleによる全ての投資が関連機器の巨大市場を創出したという。
「業界全体が成長した」とSasse氏は電話取材のなかで述べた。「似たようなことが再び起こったとしても理不尽ではない」(Sasse氏)
Microsoftはホリデーシーズン用の機器1種類についてしか語っていない。同社はまた、その機器がワイヤレス技術を備える予定であると述べている。ワイヤレスは、iRiverが現在提供しているものや、同社がホリデーシーズンに向けて準備をすすめているものには含まれていない機能である。
「公開初日から広範な製品ラインナップが登場することは、あまり予想していない」とSasse氏は言う。「誰かの正面に着地することを想像している」(Sasse氏)
他方でSanDiskは、MicrosoftがAppleの閉鎖的なアプローチを模倣するあまり、消費者を疎外する恐れがあると述べている。これはすなわち、Zuneプレーヤーとサービスが相互にしか連携しないように作られることを指している。
「Microsoftが公に発言してきた内容からすると、同社がAppleのプロプライエタリの閉鎖的なシステムソリューションを模倣すると考えられる」とSanDiskのCEOであるEli Harari氏は24日、同社の業績に関する電話会議のなかで述べた。その通りだとすれば、数あるデバイスのなかでもSanDiskのSansaプレーヤーは、オープンなアプローチをとることで、とくにローエンド市場での成功を収めるかもしれない。「わが社は多様な音楽サービス事業者との間で提携関係を進展しつつあるが、これについては来四半期以降もっと明らかにされる。これによりSansaのユーザエクスペリエンスはますます向上するであろう」(Harari氏)
今回の動きは確かにMicrosoftの新たな方向転換を示すものである。同社は伝統的にハードウェア事業に関しては提携相手に委ねていた。もっとも、Xboxゲームコンソールは第1の例外である。
同社は何カ月にもわたり、MTV Networkの音楽サブスクリプションサービス「Urge」を「Windows Media Player 11」に統合するよう取り組んできた。同メディアプレーヤーは「Windows Vista」に搭載され、Windows XP用にはダウンロードが可能となる予定である。同社はWindows Media Player 11のテストバージョンを5月に公開している。
Microsoftは長い間、自前の機器を擁して市場に参入する以外の方法でiPodに対抗しようと取り組んできたが、その努力の末、自前のプレーヤーとソフトウェアを用意することを決定した。
Microsoftの技術を使用したソフトウェアと機器がうまく連携しないことが判明した後、同社は2004年に「PlaysForSure」プログラムを考案した。このプログラムでは、ラベルを使い、どの製品が同社の音楽技術に対応しているかを明示することをねらった。しかしこのブランド活動は期待ほどの成果をみせなかった。Microsoftはそれ以来、同プログラムを刷新し、改良を施してきた。同社はまた、数種類のプレーヤーの促進に力を注ぎ、とくにUrgeサービスに重点を置いた。
IDCのKevorkian氏によると、Microsoftの提携相手がWindows Mediaチームから誠心誠意のサポートを得ていないわけではないと言う。Zuneサービスは、同社のXboxサイドから生まれ出たもので、概ねPlaysForSure製品と平行して開発されてきた。「このことから、Microsoft内部で異なる戦略が考案されているらしいということが示されている」(Kevorkian氏)
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