NTTドコモは7月18日、台湾のHigh Tech Computer Corporation(HTC)製モバイル情報端末「hTc Z」を7月31日に発売すると発表した。
この製品は、Windows Mobile 5.0を搭載し、W-CDMAおよびGSM/GPRS方式に対応した法人向けスマートフォン。2.8インチのQVGA液晶はタッチパネルに対応し、スタイラスペンによる操作が可能だ。また、液晶部をスライドさせると、QWERTYキーボードが現れ、キー入力もできる。
第3世代(3G)による携帯電話通信網に加えて、公衆無線LAN(IEEE 802.11b/g)接続もサポートする。Bluetoothや赤外線通信インターフェースも備え、microSDカードスロットやminiBタイプのUSB2.0ポートも用意されている。
端末背面には、200万画素、ディスプレイ側に10万画素の2台のカメラを装備。撮影用とテレビ電話用として、それぞれ機能する。いずれもセンサはCMOSだ。
また同日、HTCは日本法人の設立を発表し、報道関係者向けに「hTc Z」をデモンストレーションするとともに、今後の戦略展開について説明した。
HTCはこれまでにも自社ブランド、キャリアブランド、OEM/ODM(Original Design Manufactured、製造だけでなく設計までを手がけ、発注元のブランドで販売するもの)などさまざまな形態でPDA端末を提供してきた。フランス最大手の携帯電話事業者であるOrangeが発表した、Windows Mobile搭載スマートフォンも開発した実績を持つ。
最高経営責任者のピーター・チョウ氏は「世界的にスマートフォン市場は拡大している。2010年までは毎年100%増の成長が期待できる」と勝算を語る。日本市場に関しては、サポート体制の強化、および通信事業者とのパートナーシップを固めていきたいとし、他キャリアとの展開も視野に入れていることを示唆した。
会見の席には、提携先のNTTドコモとMicrosoftの関係者も出席。NTTドコモ法人営業本部プロダクトビジネス部長の三木茂氏は「従来は900シリーズをベースに法人向けのソリューションを提案してきたが、さらに多様化するニーズに応えるために、アプリケーションベースの端末が必要になった」と、今回のHTC端末導入の理由を説明した。
hTc ZをNTTドコモブランドとしての提供ではなく、メーカーブランドとして展開していく点について「マーケットのニーズに素早く対応するため。顧客の要望に合わせて、今後は定額制など、利用しやすい料金プランも用意していけるよう検討したい」と述べた。
Microsoft OEMエンベデッドデバイス副社長のサンジェイ・チェダ氏は「hTc Zは、OfficeやOutlookなどのWindows Mobileの基本的な機能に加えて、紛失時にIT管理者がリモートで本体をロックしたりデータを消去する機能を付加した」と、セキュリティが強化されている点をアピールした。同時に、Windows Mobile Phoneに対する日本市場における需要の高さを強調し、今後の市場規模拡大に期待を寄せた。
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