DaimlerChryslerは、ヨーロッパで1998年から販売している同社の低燃費のサブコンパクトカー「smart fortwo」が米国でも2年以内に購入できるようになると、米国時間6月28日に発表した。
大型のSUV車が好きな米国の人たちは今、ガソリン価格の高騰に困り果てていることだろう。しかし、だからと言って小さなsmart fortwoが、ガソリン代軽減にうってつけの車としてすぐに受け入れられるという確証はない。DaimlerChryslerによると、ヨーロッパでは過去8年間に75万台以上のsmart fortwoが販売されたという。また、カナダでも購入可能となっている。
ふっくらした台形のsmart fortwoは、ハイブリッド車ではなく、ハイテク装備を備えた「スマート」な車というわけでもない。ドライバーと言葉のやりとりができるとか、空を飛べるとか、行きたい場所を自動的に認識してくれるなどといった夢のような機能を備えてはいないのだ。しかし、smart fortwoが驚くほど低燃費だということは間違いない。DaimlerChryslerによると、市街地では1ガロンあたり46.3マイル(1リッターあたり約19.7km)、高速道路では、1ガロンあたり70.6マイル(1リッターあたり約30.0km)走行できるという。
そのうえ、smart fortwoは非常に小さい。2人乗りタイプの場合(fortwoという名前はここから来ている。ちなみに、ヨーロッパではsmart forfourという4人乗りの車種もある)、車長は9フィート(約2.7m)よりやや短く、車幅は5フィート(約1.5m)たらず、車高は5フィート(約1.5m)をわずかに超える程度だ。「サブコンパクトカー」という言葉から多くの米国人がまず思い浮かべるのは「MINI COOPER」だが、smart fortwoと比較するとMINI COOPERの方が、車長で3フィート(約90cm)、車幅で6インチ(約15.2cm)大きく、もちろん車重も900ポンド(約408kg)以上重い。
しかし、どの車にも欠点はあるもので、smart fortwoも例外ではない。最高速度は時速84マイル(約135km)で、スピード好きの人にとっては物足りない。小さいからといって米国向きでないとはかぎらないと、smart fortwoによって米国の顧客に納得させるのは無理かもしれない。なにしろハリウッド映画までが、いかにもヨーロッパ的なイメージをこの車に与えることに貢献しているからだ。映画化された「ダ・ヴィンチ・コード」ではトム・ハンクス、2006年公開のリメーク版「ピンクパンサー」ではスティーブ・マーティンが、パリの通りをsmart fortwoで走り回っている。
おまけに、米国では低燃費車の選択肢が非常に多くなっていて、今回のDaimlerChryslerによる発表はほとんど注目されていない。それでもsmart fortwoは、都市部でなら好調な売れ行きを示すかもしれない。都市を走るのであれば最高速度が低くても苦にならないし、いつも込み合っていて駐車スペースが十分にないような場所では、長さ9フィート(約2.7m)たらずというコンパクトさが、大きな利点となるからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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