ブログを核にリストラしたライブドアのポータル戦略 - (page 2)

インタビュー: 別井貴志(編集部)
文: 永井美智子(編集部)
2006年07月03日 11時00分

逮捕劇により広告出稿が激減

--一連の事件は今回のリニューアルにどう結びついていますか。

 ライブドアの広告収入が大きく減ってしまっています。これは今、時間をかけて徐々に信用を取り戻していこうとしていますが、やはりこの分野ではヤフーが圧倒的に強い状況なので、我々はCGMを収益化していかなければいけないと考えています。

 ただ、これはそう簡単にできるものではないので、既存の広告で収入を得つつ、時間をかけて取り組んでいこうとしています。

--CGMで収益を上げる方法として、どのようなものを考えているのでしょう。

 今あるのはCGMサービス内を検索する際のキーワード広告と、コンテンツマッチング型の広告の2つですね。直近で見えているのはそれしかありません。

--バナーなどの広告と、キーワード広告やコンテンツマッチング広告の収入の比率は現状どの程度ですか。

 今の状況だと事件の影響でバナー広告が減ってしまっているので、ちょっとわかりにくいですね。ただ、キーワード広告はあまり出稿が減らないんですよ。バナー広告がブランディングに使われているのに対して、キーワード広告は販売促進が主な目的になっていて、そういう広告はあまり減らないんです。それに対して、ブランディングのための出稿はやはり皆さん嫌がりますよね。

 2005年12月頃の状況でいうと、収入はバナー広告が9に対して、キーワード広告やコンテンツマッチング広告が1という比率でした。そしてその大半が検索に連動したキーワード広告だったんです。

 しかし、本当に大きくしないといけないのはコンテンツマッチ広告のほうです。今はサイバーエージェントのBlogClickを使っていますが、まだそこからの収入は少ないですね。よりクリックされるようにするために、関連性の精度を高めるようにしていかないといけないと思っています。そのためには構文解析の技術が必要になりますね。この技術を開発していかなければならないと考えています。

 それからもう1つは協調フィルタリング機能です。そのユーザーが興味を持ちそうな広告を表示する、リコメンド機能のようなものです。ユーザーがその広告に対して興味があると気づかせるような表示方法というのはいろいろ存在すると思っているので、我々だけでなく業界全体で考えていきたいところでもあります。

--RSSフィードへの広告掲載は。

 フィード配信数が増えたらやろうかと思っています。でも、数がまだ少ないのが現状です。我々は配信数が100万フィードになるというのが1つの目安だと思っています。そのくらいいけば広告媒体になる。

 今後はRSSフィードの配信数が劇的に増える可能性もあります。特にInternet Explorerの動き(※編集部注:IE7ではRSSリーダー機能を搭載する予定となっている)によっては、かつてのメールマガジンのようにRSSフィードだけで事業が成り立つようになるかもしれない。メールと同じくらいに普通のものとして使われるようになれば大きなビジネスになるでしょう。

 ただ、フィードという言葉が良くないですよね。概念が言葉から察せられない。本当は、メールに次ぐプッシュ型の新たな動きなんですが、それがどれだけ便利な可能性を秘めているか、みんな知らないですからね。

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