IBMとCisco Systemsが支援するストレージ関連のオープンソースグループAperiは米国時間6月27日、Novellが同団体に加盟したことを発表した。またAperiは、ソフトウェア開発プロジェクトをEclipse Foundationの下で開発を進められるよう申請したことも明らかにした。Eclipse Foundationは、こうした(オープンソースの)ソフトウェア開発プロジェクトを管理する組織。
複数の技術企業によって2005年10月に設立されたAperiは、異なるベンダーから提供されたマシンでストレージを管理するための共通のオープンソースソフトウェアを開発している。
Aperiが開発するソフトウェアは、Storage Networking Industry Association(SNIA)の「Storage Management Initiative Specification(SMI-S)」と呼ばれる仕様に基づいて開発されている。Aperiのメンバーは全員がSNIAにも加盟しており、IBMのオープンソース担当バイスプレジデントBob Sutor氏によると、Aperiが開発するコードの仕様は、SNIAが策定するという。
NovellのAperi加盟が発表される直前の先週には、同団体の設立メンバーであるSun Microsystemsが突然の脱退を発表していた。AperiとSNIAの両団体に属するメンバーとSNIAのみに加盟するメンバーとの間で不和が発生しているのではないか、との憶測が流れていた。
しかしSutor氏は、SNIAのメンバーは、業界のために行われている作業をとても前向きにとらえているという。米国時間23日にSNIAメンバー向けに公開された書簡が、両団体の現場レベルの関係を浮き彫りにしている。
SNIAのエグゼクティブディレクターRobin Glasgow氏はこの書簡のなかで、「両者は運営形態や関係に関する議論を終えている。AperiはEclipse傘下となっても、SNIAとの関係作りを正式に進める意向だ。この関係の下で、SMI-Sのテストと実装、そしてSMI-Sに対応したアプリケーションのテストを行うほか、SMI-Sとストレージ管理に重点を置いたマーケティングや学習プログラムを共同で行っていくつもりだ」と述べている。
Sutor氏はSNIAとAperiの関係を、World Wide Web ConsortiumとApacheの関係にたとえた。これらの団体は、一方の組織が標準仕様を策定し、もう一方のグループがその標準に準拠したオープンソースコードを開発するという関係にある。
「従来から、標準を策定する組織とソフトウェアを開発する組織は分かれていた。ここでも同じ関係だ。SNIAが標準の策定を進め、Eclipse傘下ではAperiの開発が進められる」とSutor氏は述べている。
Eclipse Foundationはもともとオープンソースソフトウェアの開発プロジェクトを支援する目的でIBMによって設立されたが、2004年に独立組織となり、多数のオープンソースプロジェクトを管理している。
Eclipseは現在、Aperiの申請を審査中だ。こうした審査は通常30〜45日かかるが、Eclipseの広報担当によると、Aperiの提案が承認される可能性は高いという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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