カリフォルニア州ラグナビーチ発--レコード会社のEMI Music Publishingが、YouTubeやRevverなどの企業と交渉中だ。目的は、動画共有サイトに無許可でアップロードされるミュージックビデオによる著作権の侵害を監視、削減し、さらには広告やダウンロード販売などの売上機会の損失を減少させることにある。
EMI Musicのデジタルおよびモバイル戦略担当シニアバイスプレジデントを務めるThomas Ryan氏は米国時間6月14日、投資家およびインターネット企業幹部向けに現地で開催された3日間の懇親会「Piper Jaffray Global Internet Summit」において、「われわれのミュージックビデオの流通に関して、(動画共有サイトと)関係を樹立しようと積極的に努力している」と述べた。
同氏はまた、オンラインエンターテインメントについてのパネルディスカッションにおいて、「こういった商業的な関係を樹立することによって、逸失利益が発生するような、無許可のままアップロードされた著作権侵害コンテンツの削除が容易になると期待している」と述べた。
Ryan氏は、EMIの興味の対象が、同社や他の誰かによって制作されたビデオのうち、知的財産権が侵害されているものだと述べた。例として挙げられるのが、著作権で保護されている曲を口パクしたり、ミュージックビデオをリミックスしたものだ。この問題に対する解決策の1つとして、デジタル追跡技術がある。
インターネットやApple ComputerのiPodのようなデジタル機器を介して流通するビデオの量が爆発的に増加したことを受け、レコード会社や音楽スタジオは、初期のNapsterを思い起こさせるような、海賊行為の問題に直面している。EMIをはじめとする多くの企業は、ミュージックビデオのダウンロード販売や、トレイラー、ミュージックビデオ、その他のプロモーション用コンテンツのサブスクリプション収入または広告収入を確保しようと努力している。しかし、そういった目標は、YouTubeやRevverのようなサイトで起こっている新たなトレンドと正に対立する。こういったサイトでは、膨大な数の若者が自分たちで作成したビデオをアップロードしたり、お気に入りのミュージックビデオをその権利保持者による許可を得ることなく再配布したりしている。
YouTubeはポリシーの一環として、EMIのような、正式な権利を有する者を除き、著作権で保護されたコンテンツを同社のサイトにアップロードすることを禁止している。それにも関わらず、こういったコンテンツが違法にアップロードされているのが現状だ。そのため、Ryan氏によれば、違法にアップロードされたコンテンツを自動的に検知するフィンガープリンティング技術を利用することもあり得るという。このような検知技術はすでに、PtoPネットワークにおける違法なMP3ファイルを追跡するために以前から使用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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