「モバイル通信事業は利益が出やすい」--サイボウズの自信の理由 - (page 4)

永井美智子(編集部)2006年06月20日 20時16分

--事業全体の中で、モバイルはどう位置付けられるのでしょう。

 今までは、どちらかというとPCからアクセスすることを前提にサービスを設計していて、モバイルはオプションでした。しかし携帯端末がもっとインテリジェントになり、またフィードなどを使ってちょっとした情報がどんどん流通するようになれば、PCと携帯端末を並列で扱わないといけないと思っています。携帯端末が本当の意味での情報端末になるということですね。どこにいても同じように、同じような利便性が受けられるようにしたいと思っています。

--ユーザーから見て、サイボウズのモバイルサービスを使う一番のメリットはどこにありますか。

 ワンストップで申し込めて、請求も一括になるので、手間が省けるという点が大きいと思います。それから、端末に搭載されるアプリケーションの部分です。モバイルアプリは端末に依存しますので、我々が保証している端末以外では動かないことになります。

--加入目標数は初年度2〜3万人ということですが、ずいぶん控えめですね。

 まずはいまのサイボウズユーザーの1%程度を目標にしているということです。ただ、これでも1人あたりの利用料金が月額5000円なら月間1億円、年間12億円の売り上げになります。これだけで、サイボウズ単体の売り上げを3割ぐらい伸ばす効果がある。

 利益面については、2万ユーザーを取れれば利益が出せると踏んでいます。初年度の黒字は難しいかもしれませんが、2年目からは黒字にしていくつもりです。

--利益は出やすい事業だということですか。

 私たちにとってはそうです。というのは、初期投資が非常に安いからです。すでにグループウェアがありますし、運用システムや課金システムもすでに持っているので、初期投資が少ない。自社でこれから作らなければならないことがほとんどないので、我々にとっては黒字にしやすいビジネスです。

--子会社化した企業の技術やサービスを利用することを考えると、ずいぶん前からいろいろ準備されていたということですね。

 インフォニックスはやはり魅力的でしたね。インフォニックスは日系のブラジル人を中心にビジネスをしているわけですが、日系ブラジル人は日本に数十万人しかいないんです。そうすると、やはり事業規模に限界がある。しかしサイボウズと組むと、規模が数十倍に膨らんでくる。ですので、お互いにメリットがあったということです。

--営業体制は。

 自社で営業部隊を設ける予定ですが、先日出資したレカムなどと一緒にやっていくと思います。また、パートナー経由で販売する可能性もあります。

 当初のターゲットは既存のオフィスユーザーです。現在の顧客である2万2000社のうち、携帯電話オプションを使っているのはわずか1割です。少なくとも、既存のユーザーが欲しがらないようなサービスでは話になりません。

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