携帯電話事業者の業界団体GSM Association(GSMA)は米国時間6月12日、開発途上国における第3世代のマルチメディアサービスと携帯電話からのインターネット接続の利用を拡大するための新プログラム「3G for all」を承認した。
第3世代のGSM(Global System for Mobile Communications)技術は、すでに7200万人以上が利用しているが、GSMAは利用者数をさらに増やし、貧しい地域に暮らす人々にも利用してもらいたいという考えを明らかにした。
GSMAは「3G for all」プログラムを通じて、今後数カ月で3G携帯電話の核となる共通の条件を確立し、メーカーが電話機の製造コストを大幅に下げられるようにしようとしている。
GSMAの最高経営責任者(CEO)を務めるRob Conway氏は、声明の中で、「この3G携帯プログラムによって、ビデオクリップやモバイルミュージック、インターネット接続など、先進国の人々が現在享受している多くのマルチメディアサービスを、ずっと多くの人が利用できるようになる」と述べた。
このプログラムは、サービス提供事業者が求める共通の条件を満たす3G携帯の電話機を作るよう、携帯電話機メーカーを競争させることが狙いだ。GSMAによって優秀と認められた携帯電話機は、プログラムに参加しているサービス提供事業者によって広く採用されることになる。
Hutchison Groupがスポンサーとなっているプログラムの詳細は、10月にシンガポールで開催される「3GSM World Congress Asia」で発表される予定だ。
3G for allは、GSMAがこれまで成果を上げてきた「Emerging Market Handset」プログラムを基盤とするものだ。こちらは、エントリーレベルとして卸売り価格30ドル以下という超低価格の携帯電話機の提供を目的としたプログラムだった。こうした低価格機ができたことによって、56カ国以上で何百万という人々が初めて電気通信を利用できるようになった、とGSMAは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」