Vistaのバッテリ駆動時間延長は、同OSの現行テストバージョンから製品版までの間にMicrosoftが改善を目指す多くの課題の1つに過ぎない。同社は、2006年内の開発作業終了を目指している。しかし、それは、バグ修正や、実質パフォーマンスおよび電力消費といった部分の改善に向けたスケジュールが厳しいものとなることを意味している。
MicrosoftのJim Allchin氏によると、バッテリ駆動時間は最優先事項ではないという。同氏はWindowsを扱う事業部の共同社長を務めている。
Allchin氏は先ごろ行われたインタビューのなかで、「バッテリ駆動時間については、個人的には問題だとは認識していない」と語っている。
同社は、バッテリ駆動時にVistaの内蔵検索エンジンがどこまで、そしてどの程度頻繁にファイルのインデックス化を行うかなど、一部の設定についてチューニングを継続している。Microsoftは既に何らかの判断を下しているが、これはVistaの次期主要テストバージョンのリリースまで公にされない。
Vistaで得られるバッテリ駆動時間をまだ延長したいという場合、Vistaを「基本」のテーマに切り替える方法をMicrosoftでは提案している。「基本」の設定では、(開いているウィンドウをグラフィカルに切り替える)Flip3D機能や、(格納されている画像やドキュメント自身の複製をファイルのアイコンにする)アプリケーションサムネールなどが省略される。
もう1つ期待できるのが、Vistaによるハイブリッドハードディスクのサポートだ。ハイブリッドハードディスクでは、標準のハードディスクより電力消費が少ない大容量フラッシュメモリで従来のハードディスクを補完している。ハイブリッド型ハードディスクを製造するサムスン電子によると、これを使えばノートPCのバッテリ駆動時間が30分延びるという。
Microsoftの幹部らも、Vistaが完成するまでにバッテリ駆動時間を(Windows XPに近いレベルまで)改善したい考えを明らかにしている。しかし同社には、目標にしながら途中で挫折しているものがいくつかある。
たとえば、Microsoftは最低128Mバイトのメモリを搭載したマシンでVistaを動かしたいとも考えた。だが、5月に明らかにされたVistaのシステム要件では、これまでずっと提唱されてきた容量と変わらず512Mバイトのメモリが必須になっていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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