シアトル発--Windows Vistaは正しい方向への第1歩だが、PC技術がリビングルームに浸透するまでにはまだ大きな障壁が残されていると、Advanced Micro Devices(AMD)の幹部研究者が米国時間5月23日に述べた。
高品位(HD)ビデオや新DVD規格への対応を向上させたというような進歩は、家庭のリビングルームへ進出しようとする戦いでは役に立つかもしれないと、AMDの特別研究員であるRod Fleck氏は、当地で開催中のMicrosoftの「Hardware Engineering Conference」におけるプレゼンテーションで述べた。しかし、新OSは、業界が抱えるより広範な問題を解決することはできない。
「規格の数が減り、自分たちが採用する数少ない規格をより多くの人が採用するようになったとしたら非常に嬉しい」とFleck氏は言う。Windows VistaはWindows XPの後継版であり、1月に一般公開される予定である。この新しいMicrosoft OSの特定のエディションには、現在の「Windows XP Media Center Edition」に含まれる機能のアップデートも盛り込まれる。
Microsoft、Hewlett-Packard、Cisco Systems、IntelそしてAMDなどが名を連ねるPC業界は、リビングルームへの進出を長年にわたり試みてきたが、ほとんどが失敗に終わっている。Fleck氏は、自分の見解がMicrosoftの気に障ったら申し訳ないとしながら、特定の新しいOSが単独でこの問題を解決することはできないと思うと述べた。
同氏によると、全ての機器を組み合わせて利用できるようにするための全体的な共通規格が欠如していることのほかにも、業界はいくつかの障壁に直面しているという。これらの障壁には、信頼性の低いホームネットワーキング技術、大きくなりすぎたソフトウェア、そして高価で、音がうるさく、放熱量の多いハードウェアなどが含まれる。
「PCは大きすぎて、見栄えが悪く、放熱が多い。PCは家電環境にそぐわない」とFleck氏は言う。「コストを下げ、デザインを小型化する必要がある。PCを寝室に置くつもりなら、静かさを望むであろう」(Fleck氏)
結局のところ、所有する製品同士が動作し、心地よく使えることを消費者は望んでいるのだと、Fleck氏は言う。それゆえに、同氏は、家電業界とIT業界に対し、手を取り合って難問を解決するよう呼びかけた。それにより最終的には、高品質のホームネットワーク経由で多様な機器が相互に接続されたリビングルームができあがるはずだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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