Yahooの幹部らによると、同社の新しい広告システムは、利用される検索用語だけでなく、統計データ、地域、Yahooネットワーク内のほかのエリアでの行動などにより、マーケッターが見込み客を絞り込めるようになっているという。
Yahooは米国時間17日、サンフランシスコでアナリスト向けの説明会を開いたが、このなかで同社の検索担当バイスプレジデントTim Cadogan氏は、この新広告システムに言及し、これまでのものよりも使いやすくなるほか、高度なテスト機能や自動分析機能、それに特定の地域を狙った広告配信の仕組みも提供されると説明した。この新広告システムは、第3四半期に米国市場で投入される予定だ。
「われわれは、掲載広告の品質データをどのライバルよりも多く公表している」とCadogan氏は述べ、さらにこのシステムでは「広告の有効性が5段階で示される」ほか、明示的または暗黙の購入意図を示すユーザークエリも表示すると付け加えた。
Yahooは、「adCenter」という新しい広告配信システムを数週間前に米国市場へ投入したMicrosoftや、検索広告市場で最大のシェアを誇るGoogleと激しい戦いを繰り広げている。
「周知のことだと思うが、われわれには他社に追いつかなくてはならない分野がいくつかある」(Cadogan氏)
Yahooは膨大な数の登録ユーザーを持ち、さまざまなサービスやサイトを運営しているが、同社を最大手のネットメディアにしているこれらの強味を活用していくことで、広告の売上を拡大できると同氏は述べた。
「Yahooのネットワーク上で、たとえば『30日以内に車を購入する可能性の高い消費者』という条件で検索すると、30万人のユーザーが見つかる」と、同社の最高データ責任者Usama Fayyad氏は説明した。
そのため、Yahoo Travel内でのユーザーの行動を見れば、製品やサービスの購入意志に関する情報をキーワード検索よりも多く提供することができると、同氏は述べた。「Yahooネットワーク上での多くの行動から、ユーザーの意向がさらに分かってくる・・・(そして)マーケッターは予算をもっと有効に使えるようになる。これは新しいタイプのターゲティングだ」(Fayyad氏)
この日、同社最高経営責任者(CEO)のTerry Semel氏は、Yahooは自分が5年前にCEOに就任してから大きく発展した、と語った。Semel氏によると、オンライン広告市場の規模は推定で300億ドルを超えており、いまも成長中だという。そして、Yahooは世界中のどのウェブサイトよりも多くのユーザーを抱えており、さらに大きな成長に向けた体制が整っていると同氏は付け加えた。
Semel氏によると、Yahooはこの5年間に、ディスプレイ広告や検索、ブロードバンド関連の提携、製品の充実に特に力を入れてきたという。また、Yahooは今後ビデオなどの次世代技術のほか、収益化、プラットフォーム、そして無線端末などブラウザ以外の機器へのコンテンツ配信にも力を入れていくと同氏は述べた。
また、COO(最高業務執行責任者)のDan Rosensweig氏は、携帯端末向けサービス「Yahoo Go」のJavaバージョンについてプレビューを行った。「われわれは、膨大な数のユーザーを集め、彼らを巻き込み、それを売り上げに結びつける」(Rosensweig氏)
Yahoo Media Groupを率いるLloyd Braun氏は、同社ではユーザーの手になるオリジナルコンテンツをライセンス付きで提供する計画を進めているという。「コミュニティーとパーソナライゼーションが、われわれにとっての重要な差別化要因になる」(Braun氏)
Yahooは今年、メディア関連では、同社の運営するすべてのサイトを網羅したコンテンツのアグリゲーションや、広告販売の簡略化、1つのページのなかでコンテンツと広告とを一貫した形で表示できるようにするためのインライン・ビデオプレーヤーの提供、そしてプロのブロガーが直接Yahooに情報を公開できるようにするツール類の提供に力を入れていると、Braunは述べた。
同社はまた、ソーシャル検索やコミュニティ分野の取り組みも強力に進めており、ソーシャルブックマークサービスを優先事項にしていると、同社のJeff Weiner(検索/マーケットプレイス担当シニアバイスプレジデント)は語った。
Yahooは、人気の高い写真共有サイト「Flickr」やソーシャル検索の「MyWeb」、タギング/ブックマーク共有サービスの「Delicious」を所有している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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