米国の大手電話会社3社が米国家安全保障局(NSA)にデータベースを提出したことが先週明らかになったが、一方で、NSAの要請を拒否しようとする電話会社も出てきている。
ケーブル、電話、インターネットサービスを提供するRCN Corporation(本社:バージニア州ハーンドン)は米国時間5月12日午後に声明を発表し、米国民の通話を記録した膨大なデータベースを収集するという、報道にあるようなNSAの計画には協力しないことを顧客に明言した。同社は、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ワシントンD.C.など米国の主要大都市に住む百万人以上の顧客にサービスを提供している。
同社バイスプレジデントのRichard Ramlall氏は「当社顧客の個人識別情報の秘匿および機密保持を約束する」と述べた。
これらの表明は、AT&T、BellSouth、VerizonがNSAの「電話通信記録」の提出要請に応じたとUSA Today紙が報じた翌日に発表された。電話通信記録とは、通話先や通話時間などの詳細が記載されているデータベースである。ただし、通話内容は含まれていない。
USA Today紙によると、米地方電話会社4社で最小規模のQwest CommunicationsもNSAの情報提供要請を拒否したという。同社では、しかるべき令状なしでそのような行為をすることは連邦プライバシー法に抵触するおそれがあることを懸念した、と同社の元最高経営責任者(CEO)Joseph Nacchio氏の弁護士が12日にThe New York Timesに語っている。CNET News.comはQwestにコメントを求めているが得られていない。
NSAの要請に応じなかったのは、QwestとRCNだけではないようだ。2月に実施されたCNET News.comの調査によると、大手通信およびインターネット会社15社がそのようなNSAの要請に応じないと回答した。
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