米国政府は、Googleが先ごろ表明した懸念を一蹴し、MicrosoftがVistaで計画する検索ボックスにゴーサインを出した。
米司法省は、Microsoftによる既存の独禁法和解協定の実施内容については批判したものの、Internet Explorer(IE)7の一部として組み込まれる新しい検索ボックスなど、Windows Vistaに向けた同社の計画には満足の様子だ。
同省はMicrosoftの独禁法遵守状況に関する現状報告書のなかで、検索ボックスを検査した結果、Microsoftのインプリメンテーションは「ユーザー(とコンピュータメーカー)のデフォルト設定を尊重しており、変更も容易に可能だ」との判断を下したと述べた。
Googleは先ごろ、同検索ボックスについて、特定エンジンからのウェブ検索を実行するよう設定されており、公平性に欠けると主張した。一方、先週にはMicrosoftのCEO(最高経営責任者)、Steve Ballmer氏が自社のアプローチを擁護していた。
プログラムで利用される検索エンジンは、ブラウザの入手方法(新しいPCに付属していた、Windowsのアップグレードで得た、インターネットからダウンロードしたなど)によって決まってくる。このボックスは、ユーザーが選択したデフォルト検索エンジンを維持するが、設定を変更することもできる。デフォルト設定がない場合は、Microsoftが自社のMSN Searchを組み込む。
IE 7はVistaにバンドルされるほか、Windows XPやWindows Server 2003のユーザー向けにダウンロードでも提供される。同ブラウザは、ベータ版が既にMicrosoftのウェブサイトで公開されている。
司法省は12日に提出した同じレポートで、和解協定のなかでWindowsの通信プロトコルをライバル各社にライセンスするようMicrosoftに義務付ける部分について、2年の期限延長を目指していることを明らかにした。
同省は、Vistaの「First Boot」の使い勝手をカスタマイズできるかどうかについても、コンピュータメーカー各社から苦情が出たことを明かしたが、この問題に関する調査は終了している、と語っている。
「原告はまだ現状を調査中だが、(コンピュータメーカー)全社がFirst Bootをカスタマイズできたり、Microsoft以外のミドルウェアも採用できたりするよう、柔軟性を加えることでMicrosoftは和解に達している」(司法省)
これで、Microsoftの和解条件下では「原告の懸念も対処され、問題もすべて解決された」と同省は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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