マイクロソフトは5月9日、2001年以来5年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「Internet Explorer 7」(IE7)のベータ第2版を公開した。製品版は2006年後半にも公開する予定としている。
IE7の対応OSは、現行のWindows XP Service Pack 2(64ビット版も含む)とWindows Vista。説明会でWindows本部ビジネスWindows製品部マネージャの中川哲氏は、IE7について「日常業務の単純化、セキュリティの強化、サイト閲覧時のパーソナライズ、互換性と管理性を重点領域とした」と語っている。
IE7のデザインは初期状態(デフォルト)で「進む」「戻る」のボタンとアドレスバー、検索ボックスが表示されている。これまでウィンドウ上部にあったメニューバーは、表示されておらず、「Alt」キーを押すと表示されるようになっている。この仕様についてシニア プロダクトマネージャを務める伊藤哲志氏は「今後登場してくるVistaでも同じく、Altキーを押すことでメニューバーが表示されるようになっている。このことは今後周知を徹底していきたい」としている。
多くのウェブサイトで用いられているCSS(Cascading Style Sheets)への対応を改善しており、CSS 2.1のサポートも強化している。また、可読性やアクセシビリティの問題からCSSで固定化されたフォントサイズに対しては、大きさを変えられるようにしてある。
注目されているタブブラウズ機能では、複数のタブを一覧できるサムネイル表示するなどの「クイックタブ」機能を搭載。表示されるタブをグループ化して、分類して保存する「タブグループ」機能も搭載している。また、IE7を起動した際に開かれるウェブページを複数のタブで表示することがIE7の「インターネットオプション」から設定できる。
ウィンドウ上部右側にある検索ボックスでは、MSNやグーグル、ヤフーなどの検索サービスプロバイダを自由に設定できるようになっている。
IE7では、RSSフィードを検出して表示することができるようになっている。RSS 0.9x/1.0/2.0とAtom 0.3/1.0をサポートしており、RSSフィードを配信するウェブサイトでは、自動的に検出・購読できる。
また、現在多くのウェブサイトで利用されているAjaxについてもサポートを改善している。既存のIE6の場合、Ajaxに用いられるXMLHTTPリクエストをActive Xコントロールで処理していたが、IE7では「ネイティブに処理することが可能になっている」(伊藤氏)。
セキュリティ強化の面では、フィッシングサイトを検出する「Phishing Filter」機能を搭載。既知のフィッシングサイトでは通信をブロックするほか、疑わしいサイトについてはユーザーに警告するようになっている。ブロックされるサイトのデータベースは米国以外のサイトデータを保持し、フィッシングサイトのデータベースについては「外部のベンダーと連携して更新していく」(伊藤氏)としている。
セキュリティ機能ではまた、ウェブ閲覧で発生するインターネット一時ファイル、Cookie、閲覧履歴やフォームデータ、パスワードを一括して削除することが可能になっている。HTTPS接続は、デフォルトでSSL 3.0とTLS 1.0が指定され、SSL 2.0は無効になっている。
セキュリティ関連では、マルウェアからの保護を目的にプリインストールされていたり、IEを介してインストールされていないActive Xコントロールに対しても実行前にユーザーに確認する「Active Xオプトイン」を搭載している。また、アドオンプログラムがない状態での起動が可能となり、システムを不安定にさせるアドオンプログラムを駆除することができるようにもなっている。
今回発表されたベータ第2版について中川氏は「製品版に搭載されるすべての機能を含んでいる。ウェブ開発者やアプリケーション開発者は、是非ともチェックをしてほしい」と説明する。
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