メタデータの利用と、ビジュアル化の推進。
これこそ、ワシントン州レドモンドのMicrosoftにおいて、未来のオフィス像を描く「Center for Information Work(CIW)」が目指している情報技術である。
MicrosoftのCIWグループ製品マネージャーであるTom Gruver氏はCNET News.comに対して、「新たに拡張されたCIWは、このような知識に磨きをかけ、ソフトウェアを中心とした次世代の生産性ツールに適用するための全社的なシンクタンクだ」と述べた。
未来のソフトウェアは自動的に検索を行い、メタデータを利用する(人と会う約束やWord文書といったものにタグ付けされた情報を識別する)ことで、人間にとっては当たり前の関係を自動的に識別、体系化し、連携させるようになる。そして、こういった「パターン認識」により、「インフォメーションワーカー」のニーズを見越した動作が自動的に行われるようになる。
「インフォメーションワーカー」とは、仕事で情報にアクセスしたり、情報を配信したりするためにコンピュータを使用する個人を表すためにCIWが使用している用語である。
Gruver氏は「テーマ毎に作成されたコンテンツ、有益な検索結果、関連のある連絡先、継続中の作業に関係する他のアプリケーションや情報からのドキュメントがすべて、積極的にユーザーに提供されることになる」と述べ、「その際には、バックエンドにあるリアルタイムデータが今よりも遙かに優れた形でビジュアル化、つまり3Dモデリング化される」と付け加えた。
「ユーザーは1つのスクリーン上で、カレンダー、電子メール、電話通話、インスタントメッセージを一覧することができる。アプリケーションは、ユーザーの行動に従って、一連のイベントを体系化して生成する」(Gruver氏)
情報のやり取りは、企業や個人ユーザーが設定した優先順位に従って体系付けられる。優先順位はまた、ユーザーの行動によっても動的に設定される。
将来的には、物事をきちんと体系付け、スケジュールを管理してくれる有能な女性秘書を、皆がそれぞれ雇っているかのようになるはずだ。
インフォメーションワーカーが手にする情報はますます増え、より多くの人々が企業間で連携作業を行うようになり、視覚的な表示領域がより必要になってくる。こういったことに取り組むために、CIWでは複数の計画が進行中だ。
CIWのワークステーションには、連結したフラットディスプレイが2台もしくは3台備えられ、これらのディスプレイは互いに連携して動作する。「StraTech」がその例だ。これは、継ぎ目のない三面鏡のような形をした大きなディスプレイである。
また、「DigiDesk」は、大きな垂直モニターと、大きなタッチスクリーンを載せた製図台のような机から構成されている。
さらに、「RoundTable」は、360度の視野角を持っており、複数の場所からビデオ会議に参加できる。同システムは、CIWが2003年に「RingCam」として初めて実験したものであり、2007年の発表が予定されている。
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