Intelはこれまで、短命に終わった「NetBurst 」の問題を乗り越えて先に進もうと悪戦苦闘してきた。「NetBurst 」とは現行の「Pentium 4」および「Xeon」に採用されているマイクロアーキテクチャだ。同社では、「NetBurst 」によって非常に高速なプロセッサを実現できると期待していたが、実際には大量の電力を消費する点や発熱が問題となってしまった。たとえば、ハイエンドのデュアルコアXeonは、最高で165ワットもの電力を消費する。それに対し、Opteronの消費電力は最高でも95ワットにしかならない。そのため、Intelが新たに1ワットあたりの性能を重視しているのも、ごく自然なことと言える。
新たな設計サイクルから生まれるチップの第一弾は、今年6月に登場予定のデュアルコアプロセッサ「Woodcrest」だ。プロセッサソケットを2つ持つWoodcrestは、主流のサーバ向けとなる。また、7月にはデスクトップ向けの「Conroe」が、8月にはノートPC向けの「Merom」がそれぞれ発売になると、Otellini氏は述べた。
Mercury ResearchアナリストのDean McCarron氏(プロセッサ市場担当)は、今回発表された変更について、Intelにはプラスに作用するはずだが、しかしそれがAMDからのシェア奪回に結びつくとは考えていない。
「Intelがプロセッサのアーキテクチャに大きな変更を加えたのは、約5年ぶりのことだ。この結果、同社の競争力は相当高まるはずだ」(McCarron氏)
Intelでは、新たなマイクロアーキテクチャの投入と平行して、製造プロセスの移行も進めていくことになると、Otellini氏は説明した。現在の65ナノメートルプロセスが導入されたのは2005年後半のことだが、この後2007年には45ナノメートルプロセスへ、また2009年には32ナノメートルプロセスへと移行していく。一方、マイクロアーキテクチャのほうは、2006年のCoreが、2008年にはNehalemが、2010年にはGesherがそれぞれ登場する予定になっている。
しかし、新しいマイクロアーキテクチャの投入は簡単にできるものではない。そのため、一部には現在進められているNetBurstからCoreへの移行ほど劇的な世代交代は、今後はないだろうとする見方もある。
「マイクロアーキテクチャの設計は非常に難しい。新しいものを設計するのに何年もかかるには、それなりの理由がある」とMcCarron氏はいう。「2年ごとに新しいマイクロアーキテクチャが投入されるようになると、新旧アーキテクチャ間の違いはもっと少なくなり、アーキテクチャ間で引き継がれる部分が相当増えると私は思う」(McCarron氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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