今年の春は、お買い得なPCを購入するのに絶好のチャンスのようだ。ただし、8カ月後にはやや時代遅れになってしまう技術に投資をしてもかまわないというのであれば、の話しだが。
ユーザーは今すぐに安い買い物をするべきなのか、それとも何年間も利用できる新しい高価なオペレーティングシステムやチップが登場するまで待つほうがよいのだろうか。最先端ともてはやされる技術が次々に移り変わっていくなかで、これはPC市場における永遠の問題といえる。
とりわけ今年は、もう少し待てば魅力的な新製品が市場に投入され始めるため、いっそうこの問題が切実になっている。Microsoftは2007年初めに「Windows Vista」の発売を予定しており、またIntelからも新たなコアアーキテクチャを採用したチップが登場することになっている。さらに、Appleでも「MacBook Pro」「iMac」「Mac mini」に続き、2006年末までにIntelプロセッサを搭載した「iBook」と「Power Mac」製品を投入しようとしている。
したがって、これらの新製品が出るまでの数カ月間に、Windows XPやPentium Dプロセッサを搭載するPC、そしてPowerPCベースのMacは処分されなくてはならない。そのため、Intelやその他のコンポーネントメーカーで在庫余剰が発生することから、数週間〜数カ月以内にPCの価格が大幅に下がる可能性があるとPC業界アナリストは述べている。
NPD Techworldの調査では、第1四半期中にデスクトップPCの半数近くが600ドル以下の小売り価格で販売されたことが明らかになっている。同社のアナリストStephen Baker氏によると、PCの平均価格は662ドルだったという。一方、ノートPCは、全体の約半分が1000ドル以下で販売され、平均価格は1022ドルだった。そして、現在のミッドレベルのマシンが低価格帯へ移行していくために、デスクトップおよびノートPC双方の平均価格が下落するだろうと、Baker氏は話している。
Endpoint Technologies AssociatesアナリストのRoger Kay氏は、「時代遅れになるのが早ければ早いほど、現行機種の割引率は大きくなる」と述べた。
Current AnalysisアナリストのSam Bhavnani氏も、PCの追加購入を検討している企業にとって、今はねらい目の時期だと言う。2007年初めに新しいオペレーティングシステムであるVistaがリリースされても、ほとんどの企業が導入をしばらく見合わせ、導入に関する評価と計画を慎重に進めると考えられている。これらの企業は、ここ数年定期的にシステムのアップグレードを行ってきているが、第2および第3四半期に見込まれる値引きは見過ごすには惜しいチャンスだと、Bhavnani氏は述べている。第2〜第3四半期に提供されるシステムの多くは、IT部門の準備作業さえ完了すれば、Vistaを稼働させることが可能だ。
今年第1四半期は一般向けPCの販売がかなり好調だったが、Intelの利益は前年同期に比べて38%も減少した。同社は、今年はこれから年末まで同社が期待していたほどPCの販売台数が伸びないだろうと述べ、その理由として点を顧客の元にはまだ処分しなくてはならない在庫があることを挙げた。
薄型ディスプレイやハードディスクのメーカーなど、他のコンポーネントメーカー各社でも、似たような軟調ぶりを指摘していると、IDCアナリストのRichard Shim氏は述べている。同氏によると、IntelとPCメーカーの両方で在庫が増えることから、価格の引き下げはほぼ避けられないという。またAdvanced Micro Devicesも、このしばらく続いてきた市場シェアの伸びを継続させるためには、Intelに倣って価格を引き下げなければならないかもしれないと、Kay氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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