サンフランシスコ発--Intelは、「Centrino」がワイヤレス技術を連想させたように、ビジネスデスクトップPC用の新しい「VPro」ブランドでは、ITマネージャーにセキュリティと管理性を連想させたい考えだ。
IntelのCEO(最高経営責任者)、Paul Otellini氏は米国時間4月24日、当地のRitz-Carltonで記者会見を開き、新しいVProブランドを発表した。Otellini氏によると、VProのステッカーは、Intelの「Conroe」プロセッサ、新チップセット、そしてIntelのネットワーキングチップを搭載したPCで数カ月以内には見られるようになるという。
VProはIntelのプラットフォーム戦略の最新ブランドで、同社はこれにより、プロセッサ本体のパフォーマンスではなく、PCの機能から自社の名前を連想させようとしている。この戦略の第1弾だったのがCentrinoで、これはプロセッサ、モバイルチップセット、そしてワイヤレス通信チップを1つのブランドでまとめた。そして、ホームエンターテイメントPC用の「Viiv」がその第2弾だった。
Otellini氏によると、IntelはCentrinoではバッテリ駆動時間やワイヤレスコネクティビティなどの機能を強調する一方で、VProではセキュリティと管理性に重点を置きたいという。VPro対応PCには、「Intel Active Management Technology(AMT)」および「Intel Virtualization Technology(VT)」の2つの機能が搭載される。
AMTがあると、ITマネージャーがユーザーのPCにまで出向かないと解決できない問題の数を減らせるようになる。IT関連コストでは、ユーザーのPCにまで出向いての作業が相当な割合を占めていると、Otellini氏は語っている。一方のVTは、1台のPCを2つの別パーティションに分割できる仮想化ソフトウェアをハードウェアサポートする。同氏によると、これによりITマネージャーはPCのなかに安全な場所を確保できるようになるという。
Otellini氏によると、Intelと同社パートナー各社は、VProブランドの「シード機」を今四半期中には一部の顧客に向けて出荷する計画だという。ConroeとVProの一般向け発売は第3四半期以降になる見込みだという。
VProは、組織のコスト削減を目指すITマネージャー向けにデザインされていると、Otellini氏は語っている。「これまでは、ハードウェアのコストが4年分のサポートコストに相当していた。それが今は、サポートコストがハードウェアの2倍にまで上がってきた」(Otellini氏)
ゼネラルマネージャー(Digital Officeプラットフォームグループ)のGregory Bryant氏によると、社内にIT部門を置く余裕のない小規模企業は、アウトソーシング企業によるリモートサービスを活用できるようになるという。今日でもそれは可能だが、VProの技術があれば、サービスプロバイダーにとっても顧客にとっても大幅に容易になると、同氏は語っている。「このプラットフォームにより、小規模企業向けのITサービス提供が初めて現実的になる」(Bryant氏)
ITマネージャーにとっては消費電力効率も懸案事項で、数十万台ものPCを利用する企業では特に大きな問題になると、Otellini氏は語っている。VProはCoreアーキテクチャの高い電力効率を活用し、Intelの「Pentium 4」プロセッサに比べて、ワット当たりの性能を最大4倍までに向上させていると、同氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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