Microsoftが「Windows Live」向けの新機能の試用実験に顧客を動員し、開発者がみずからのアイデアを検証する機会を作り出そうとしている。
米国時間4月20日に立ち上げられたある人材募集用ウェブサイトに、「Microsoft's Experimentation Platform」と呼ばれる同プロジェクトの詳細が記されていた。これによると、Microsoftのプログラマや、いずれはサードパーティの開発者までが、新しいアイデアを一定の実験環境でLiveユーザーを対象に試せるようにすることが、プロジェクトの目的だという。
Microsoftも、Experimentation Platformに取り組んでいることを認めている。同社の関係者は、「われわれは常に、サービスとプラットフォームの迅速な革新を目指している。そのためにも、検証作業を支援することが重要だ」と述べたが、プログラムの詳細についてはコメントを拒否した。
この取り組みは、Windows Live向けの新機能の開発を促進するものである。Windows Liveは、電子メールやブログ、インスタントメッセージングなどのインターネットベースサービスを組み合わせたものだ。Liveサービスでは、既存のデスクトップアプリケーションのオンライン版や、新しいウェブベースツールが提供される予定で、2006年に入りベータ版がリリースされている。
前述の人材募集サイトには、Experimental Platformはそうしたツールの性能を試すために利用される予定だと記されていた。同プロジェクトでは、任意に選ばれた実験用のデザインを用いて、開発者が一定のユーザーに新たなアイデアを試用してもらい、その効果を調査する。こうした実験を踏まえ、開発者は結果が統計的に優位であるかどうかを調べ、因果関係を分析することができるという。Experimental Platformは複数の評価指標を収集し、ユーザーが新機能を利用することで得られる価値に関する理解を深めるための分析ツールを提供する。
同ウェブサイトは、Experimental Platformは、ユーザーのエクスペリエンスが分断されていないことを確認する目的で開発されたと述べている。その妥当性を保証するために、実験の過程は監視下に置かれるという。アプリケーションの評価が基準に満たなかった場合は、自動的に「コントロール」アプリケーションもしくは実験中の機能と置き換えられる。ランダムに行われる実験の常として、自分が実験に参加していることや管理下に置かれていることは、ユーザーにはわからないようになっている。
Microsoftがオンラインで公開している情報によれば、同社のテスト用プラットフォームは、ソフトウェアプロバイダーがより迅速にアプリケーションを提供するのを支援し、追加検証の必要性を削減する作りになっているという。また、新技術や古い問題に対するパッチがうまく機能することがわかれば、より多くのユーザーに自動配信し、うまく機能しないものはすぐに削除されるなど、顧客に害をおよぼさないよう設計されていると、Microsoftは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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