マカフィーは4月18日、2006年のコンシューマー事業戦略に関して記者発表を行った。コンシューマー市場での認知度向上を狙った大規模なキャンペーンを展開するほか、4月下旬には家庭内の無線LAN環境に対してセキュリティを提供する新製品「マカフィーワイヤレスホームネットワークセキュリティ」を発売する。
マカフィー、コンシューマ事業本部長の中山泰宏氏は、コンシューマー市場における同社セキュリティ製品のシェアが、2005年において約13%になったという調査結果を引用しつつ、「現在、この市場におけるユーザーベースの伸び率はマカフィーがナンバーワン。2008年には30%のシェアを目指す」とした。
2006年においては、さらなる認知度の向上とマーケティングメッセージの統一を図るため、大規模なブランディングキャンペーンを行うという。コンシューマ事業本部、コンシューマ企画推進本部本部長代理の東栄一氏は、「コンシューマーに対するマカフィーの認知度はまだ低い。今後は、われわれがシェアアップの要因と考えているASPモデルのセキュリティサービス(プログラムの自動更新サービス)を軸に、マカフィーがインターネットとデジタルライフスタイルにおける“安心”を提供する企業であることについて幅広い認知を図っていく」とした。
4月22日にスタートする「Don't Worry.キャンペーン」と銘打たれたブランディングキャンペーンでは、安心を意味する「ハートマーク」に「Don't Worry」というメッセージを添えたメインビジュアルを、キャンペーンサイト(4月20日オープン)、各種メディア、販売店舗、製品パッケージなどに幅広く展開する。また「マカフィーインターネットセキュリティスイート」パッケージ製品の購入者に景品が当たるプレゼントキャンペーンを行うほか、5月後半以降に店頭販売される製品パッケージに、セキュリティ関連の用語解説などを含むガイドブックを同梱するなど、ユーザーの啓蒙も行っていくとしている。
同日マカフィーは、コンシューマー向けセキュリティソフトウェアの新製品として「マカフィー・ワイヤレスホームネットワークセキュリティ」を発表した。
同社コンシューマ事業本部プロダクトマーケティングの飯嶋睦氏は、一般家庭へインターネットやブロードバンドが普及し、無線LANの導入が進んでいるにもかかわらず、市販されている多くの家庭用無線LANルータでは、セキュリティに関する設定が標準でオフになっており、特に無線LANのセキュリティにおいて重要な「暗号化」に関する設定が、一般ユーザーにとっては難しいものであることに言及。新製品は「家庭用無線LANのセキュリティ設定を、簡単なユーザーインターフェースを使って全自動で行えるセキュリティソリューションである」とした。
ワイヤレスホームネットワークセキュリティを無線LAN対応のPCにインストールして実行すると、セキュリティの設定されていない無線LANルータに対して、暗号化の設定と暗号キーの生成を自動で行える。WEPやTKIPなどで利用する暗号キーは乱数を使って自動生成するため、ユーザーはキーを覚える必要がない。また、定期的にキーの変更(キーローテーション)を行い、その設定はルータとPCに対して自動的に反映されるため、より強固なセキュリティを実現できるという。
注意点としては、ソフトウェア側から自動で設定を行うために、対応する無線LANルータが、バッファローやコレガ、アイ・オー・データ機器(5月以降対応の見込み)、ネットギア(6月以降対応の見込み)といったメーカーの比較的新しい製品に限られること。また、このソフトウェアでセキュリティ設定を行っている無線LANルータを同ソフトウェアがインストールされていない無線LAN機器と共有する場合には、キーローテーション機能が使えないといった制限がある。
マカフィー・ワイヤレスホームネットワークセキュリティの価格は、ダウンロード版が2980円。パッケージ版が3885円。このソフトウェアを使ってセキュリティが設定された無線LANルータに接続するPCには、同じソフトウェアがインストールされている必要があるため、最大3台までのPCにインストール可能なライセンス形態となっている。ダウンロード版は4月下旬、パッケージ版は6月上旬に発売される。単体製品のほか、同社のウイルススキャン&パーソナルファイアウォール、インターネットセキュリティスイートとのバンドル製品も用意される。
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