Microsoftは2006年6月、「Windows OneCare Live」をリリースする予定だ。これにより同社は、かねてから予想されていたように消費者向けのウイルス対策サービスに参入することになる。料金プランは、年額4ドル95セントで最大3台までのパソコンをウイルスやスパイウェアなどの脅威から保護する。
先行するMcAfeeにとって、Microsoftがセキュリティ市場に新規参入してくることは脅威となるには違いないが、McAfeeのプレジデントKevin Weiss氏はZDNetオーストラリアの取材に対して、セキュリティにかかわるには、この分野に専念し、専門性を有することが必要だと語った。
Weiss氏は次のような例を挙げて、セキュリティに関する限りMicrosoftの考え方には根本的に欠陥があるという考えを示した。「たとえば空港のラウンジで、人々がモバイルパソコンを使ってワイヤレスで電子メールのやりとりしている場面を考えてみよう。『Word』『Excell』『PowerPoint』の文書がどれだけダウンロードされていることか……Microsoftの場合、こういった文書はパソコンにダウンロードしなければ見ることができない。私から見れば、これはMicrosoftが必ずしもセキュリティを念頭においているわけではないということを示すものだ」
Microsoftは、どの会社のセキュリティ製品に頼るかは消費者が決定できるようにすると語っている。
MicrosoftオーストラリアのチーフセキュリティアドバイザーPeter Watson氏は先週、ZDNetオーストラリアの取材に対して、Microsoftとしては、一般消費者にも企業顧客にも使ってほしいと望んではいるが、McAfeeやSymantec、Sophosなどのセキュリティ企業はこれまで同様パートナーだと考えていると語り、次のように述べた。
「当社は他のセキュリティ企業を視野に入れ、そういう企業をパートナーだと考えている。『Windows XP』のセキュリティセンター機能では、Microsoftのセキュリティコンポーネントを使用するか、あるいはサードパーティのセキュリティ製品をインストールするかをユーザーが選択できるようにした。選択権はユーザーにある」
Microsoftのセキュリティ製品に関して、Weiss氏が最も強く批判しているものの1つは統合性の欠如だ。McAfeeは米国時間4月3日、統合性や管理のしやすさを改善したセキュリティ製品のリパッケージ版を発表したばかりであり、こういった批判が出てくるのも当然だ。
Weiss氏は次のように語った。「しかしながら、興味深いのは、実のところ、この(Microsoftの)解決策は、昨日の問題に対処するものであって、必ずしも今日や明日の問題に対処しようとするものではないということだ。スパイウェア対策も統合されておらず、単独のソリューションになっている。フィッシング対策もなければスパム対策もない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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