「今後の鍵は携帯電話のセキュリティ」:マカフィーCEO、戦略を語る

Ong Boon Kiat(CNETAsia)2004年10月07日 10時00分

 McAfeeといえば、これまではPC向けのセキュリティ対策ソフトの会社というイメージが一般的だった。だが、同社CEOのGeorge Samenukは、無線ネットワークやインターネット上の音声通信の保護を重視していきたいと考えている。

 今年、新種のPCウイルスやその亜種が、かつてないほどの勢いで猛威を振るっている。その上、モバイルコンピューティングなどの新技術がさらに増加し続けていることを考えると、いまや企業はかつてないほど深刻なセキュリティ問題に直面しているといえる。

 Samenuk によると、McAfeeが最近、特に第3世代(3G)の携帯電話ネットワーク市場におけるモバイルプラットフォームの保護を重視する決断を下したのは、以上のような理由からだという。Samenukは、モバイルプラットフォームの保護と、非中核事業の売却を特に重要視してきた。

 最近Samenukがシンガポールを訪問した際にCNETAsiaが行なったインタビューの中で、同氏は「我々はいま、この世界で即効性のある対策を講じられる立場にある」と述べ、さらに「このインタビューを聞いている世界中の人々は、誰もがこの分野について議論したいと考えている。なぜなら、政府や企業を存続させることは彼らにとって死活問題だからだ」と語った。

 同社は最近、ネットワーク監視サービスを提供しているSniffer部門をある投資家グループに売却した。その結果、それまで複雑に入り組んでいた同社のビジョンが明確になった、とSamenukは語る。

 McAfeeは今後セキュリティ分野に特化していくとSamenukは主張する。インタビューの話題は多岐に渡ったが、なかでもSamenukは同社の直近の計画について明確に語った。

--ウイルスの被害状況はどの程度深刻でしょうか。

 2004年第1四半期に発生したウイルス攻撃による被害件数は、過去最高の被害を記録した2003年の総被害件数を上回りました。さらに、外部からの攻撃による被害は、かつてはPCに限られていましたが、最近はIT関連全般に拡大しています。私が読んだ記事によると、最近はAppleのiTunesに対する攻撃も行なわれているそうです。PDAや3G携帯電話も攻撃の対象になっており、インターネット電話に至っては、猛烈な勢いで被害が拡大しています。

--(悪意ある)攻撃やウイルスの亜種による再感染の傾向は、現在どの程度深刻でしょうか。

 最近の傾向を見ると、攻撃者らはこれまでとは別の攻撃ルートを試しており、攻撃に関する知識も増えています。つい2週間前に危険度が中程度のBagleの亜種が発生しました。攻撃者らは、最初の攻撃に改良を加え、顧客らのネットワークに侵入可能な、別の領域への攻撃を試みたのです。攻撃者らは、どうすれば最初の攻撃の亜種を使って、より効果的な攻撃を行なえるかについて、はるかに良く心得ています。よって私は、デスクトップ、サーバ、ゲートウェイなど、全ての場所に攻撃防御およびウイルス対策機能を設置すべきだと考えます。1つでそれら全てをカバーするのは不可能ですからね。

-- しかし、ウイルス対策企業ならどこでも、そうすることが正しいと言いますよね。顧客により多くの自社製品を購入してもらいたいわけですから・・・。

 ユーザーに他の選択肢がありますか。あなたがPDAや3G携帯電話やサーバを保護するための費用を出さなかったがために、企業や政府が機能不全に陥ってもいいのですか。これはあなたが失職しかねない問題です。仮にあなたが包括的かつ階層化されたセキュリティソリューションを導入しなければ、あなたは失職することになります。しかし、私が話をした企業各社の最高セキュリティ責任者(CSO)や最高情報責任者(CIO)には、その心配はありません。彼らはそのために必要な資金を得ています。我々や他のセキュリティベンダーの売上を見れば、各企業/組織が毎年、セキュリティ対策費を増額していることが分かります。すでに多くの人々が、向こう数年間に3G携帯電話市場が成長すると予測しています。仮にそれらの予測が半分しか当たらなくても、同市場が巨大市場になることは間違いありません。

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