平成電電は4月17日、ドリームテクノロジーズが4月16日に行ったスポンサー支援中止の決定を受け、資金繰りがつかなくなったことを理由に、再生を断念すると発表した。
平成電電は、近日中に東京地方裁判所により民事再生手続廃止決定および保全管理命令を受ける見込みだ。今後、同社の事業および資産については、保全管理命令によって選任された保全管理人の下で管理されることになる。会社としては、清算へと向かう可能性が高い。
同社は、2005年10月3日に東京地方裁判所に対して民事再生手続開始の申立てを行い、ドリームテクノロジーズが再生支援のためのスポンサーとなっていた。平成電電では、ドリームテクノロジーズからの資金支援を前提に、4月10日付けで東京地方裁判所に対して最終の再生計画案を提出していたが、ドリームテクノロジーズでは、その計画が合理性や実現可能性に乏しいことや、これまでに事業に関する情報提供が十分に行われなかったことなどを理由にスポンサー支援を中止する旨を16日付けで発表していた(関連記事)。
記者発表には、平成電電の代表取締役である佐藤賢治氏と、申立代理人の松村正哲氏が出席。佐藤氏は用意された文面を読み上げ、「スポンサー契約に基づきドリームテクノロジーズに対して資金支援を要請したにもかかわらず、同社が契約に基づく義務を履行せず、資金支援を実行しなかったため、資金繰りがつかない状況に陥った」と再生断念に至った理由を説明。投資家や関連するすべての企業に対して「申し訳ない。このような事態に至ったことについて、弁解の余地はない」と、謝罪の意を示した。
一方で、ドリームテクノロジーズが「支援中止の理由」として挙げている、情報提供の不十分さや、信頼関係の維持が不可能になったといった点については、平成電電側との認識が「全く食い違っている」(松村氏)とした。佐藤氏によれば、査定に必要な情報については、スポンサー契約の入札時にすべて開示しており、また、毎日のように再建のためのミーティングを行ってきており、ドリームテクノロジーズが支援中止に至った理由については分かりかねるとした。
ただし、なぜ両社の間でそのような認識の違いが生じたのかの理由や、同社の直収電話サービスである「CHOKKA」の今後については「保全管理人の権限の元で調査、決定されることである」(松村氏)として発言を避けた。
3月30日に平成電電は日本テレコムと基本合意書を締結し、直収電話サービスに関する事業インフラの提供を受けて収支改善を図る方針を示していたが、今回の再生断念により、合意が見直される可能性もある。「現在サービスを利用しているお客様の保護は関係者の総意だと認識しているが、具体的なことは申し上げられない」(松村氏)としており、現時点で14万4000回線前後の契約があるというCHOKKA利用者の今後は不透明な状況だ。
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