松下電器産業とスクウェア・エニックスは4月7日、コンテンツの開発や利用環境の構築において提携すると発表した。松下のデジタル家電統合プラットフォーム「UniPhier(Universal Platform for High-quality Image-Enhancing Revolution)」に、スクウェア・エニックスが開発予定のミドルウェア「SEAD Engine」(Square Enix Application on Demand Engine)を組み込むことで、さまざまなデジタル家電上にてコンテンツがシームレスに利用できるようにする。
UniPhierとは、松下が2004年9月にコンセプトを発表したデジタル家電向けの統合プラットフォーム。テレビや携帯電話などのさまざまなデジタル家電において、ソフトウェアとハードウェアの資産を共有し、再利用ができることを目的としたものだ。同社は2005年10月に、すでにUniPhierを搭載したSDカードムービー「SDR-S100」を発売したほか、2006年3月にはワンセグ対応の携帯電話「P901iTV」も発売開始している。今後もハイエンドのデジタル家電にUniPhierを搭載する予定だ。
一方のSEAD Engineは、グラフィックスやサウンドなどのコンテンツを、画面の種類や機能が異なる機器の各インターフェイスに向けて最適化するためのミドルウェア。これをUniPhierに搭載することで、多種多様な端末にてコンテンツが相互利用できる。
松下電器では、デジタル家電のネットワーク価値を高めるために、スクウェア・エニックスが開発している、グラフィックス、サウンド、非同期通信などのソフトウェアを統合し、表現力を強化したミドルウェアSEAD Engineの搭載を決定した。この共同構築をはじめとする協力関係を通じ、双方が保有する独自の技術とノウハウを活用することで、デジタル家電上でのシームレスなコンテンツの利用を現し、新たなライフスタイルを提案していく計画だ。
スクウェア・エニックス 代表取締役社長の和田洋一氏は、「コンテンツプロバイダとして、例えばゼロからテレビに向けたコンテンツを作ることはありえない。非常にコスト高となるためだ。それが、UniPhierとSEAD Engineを組み合わせることで、われわれが作る映像コンテンツをテレビなどの家電にも容易に提供できる」と話す。
両社は、2007年3月までにSEAD EngineをUniPhier上に組み込み、デジタル家電上でのコンテンツ相互利用の技術やノウハウを構築する。ただし、具体的な利用例や、どの家電にSEAD Engineを組み込むかについては、「まずは環境を整えてから検討する」(松下電器産業 代表取締役副社長 古池進氏)としている。両社は今後、ほかのセットメーカーやコンテンツプロバイダーにもSEAD Engineを組み込んだUniPhierを提案していく考えだ。
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