日本オラクルに上方修正への追い風

 日本オラクルの株価が、ライブドアショック後の連動安に伴う急落でつけた安値に次いで、3月8日に5220円で2番底をつけて以降順調な上昇軌道を描き、先週後半には一時、5930円をつけるなど6000円台乗せが目前となっている。データベースソフトの販売好調が着実に業績拡大をけん引しており、市場関係者の評価も高まりつつある。

 日本オラクルが3月23日に発表した2006年5月期の第3四半期までの9カ月間の累計(2005年6月〜2006年2月)の非連結業績は、主力商品のデータベースソフトの販売の好調や、好採算の保守事業の拡大が寄与して、前年同期比2桁の増収増益となった。売上高634億8900万円(前年同期比10%増)、営業利益211億1200万円(同16%増)、経常利益211億8600万円(同16%増)、純利益124億900万円(同15%増)と好調な水準を維持した。

 第3四半期(2005年12月〜2006年2月)3カ月間のデータベースソフトの売上高は前年同月比11.4%増と好調な推移をみせた。同社でも、大型案件が回復をみせているのに加え、中堅・中小企業向けまで同社のデータベース採用が広がりをみせてきたと自信をみせている。特に、このところの景気回復や株式相場の活況などを映して大手銀行、証券会社など金融機関で設備投資意欲が高まりをみせており、これが寄与してデータベースソフトやサポートサービス(保守)事業の順調な拡大をみせている。

 会社側では、第3四半期の決算が好調な推移となったものの、2006年5月期の業績については従来通りの売上高900億円(前期比8%増)、営業利益310億円(同8%増)、経常利益310億5000万円(同8%増)、純利益182億円(同8%増)を変えていない。しかし、実際には通期業績が上方修正される期待が高まっている。

 さらに、この4月から導入される「情報基盤強化税制」はその対象製品を多く抱える同社にとって追い風となりそうだ。情報基盤強化税制は、2003年から実施してきたIT投資促進税制を焼き直して継続したもの。従来のIT投資促進税制との主な違いは、産業競争力の向上に資することと、セキュリティ対策を施すことが減税対象の条件になっていること。これに伴い減税効果は、2006年度以降も継続される形となった。

 また、日本オラクルは、2005年6月にTDB(帝国データバンク)と顧客統合管理事業での提携を発表し、共同でサービスを展開してきたが、今回3月下旬に発表した与信管理ソリューションは、グループ会社を含む全社の取引先状況と債権残高の把握、企業内に散在する顧客情報が共有できるものだ。企業の与信限度額算出表や債権・債務管理表など、既存の表計算ソフトや会計システムに保持されている情報と、TDBの企業情報とをOracle Customer Data Hubで統合、与信情報の一元的な管理が可能となる。

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