シックス・アパートは2月28日、企業システムにおけるブログの活用機会を拡大することを目的に、企業システム向けの機能を強化したブログプラットフォームの新製品「Movable Type Enterprise(ムーバブル・タイプ エンタープライズ)日本語版」の販売を2006年3月1日より開始することを発表した。3月10日より出荷が開始される。
Movable Typeはウェブ環境における情報の配信や更新を容易に実現することができるブログプラットフォーム。2001年10月に米国で発表されて以来、世界中で数多くの導入実績を持っている。2003年12月より日本語化をスタートし、2004年7月より日本語版の商用版が提供されている。
同製品がユーザーに支持されている理由は、対応ツールやネット/書籍などの情報リソースが豊富なほか、すでに100社を超える企業が参加しているパートナー制度、大企業から中小企業までの幅広い利用実績などが挙げられる。
たとえば、日産自動車やリコー、日本総合研究所、カシオ計算機、ファーストリテイリングなどの企業では、PRや広報、マーケティング、イントラネットなどの仕組みの実現に、Movable Typeを採用。社内外の情報共有を効率的に実現している。
ただし、これらのユーザー企業やパートナー企業からは、ユーザー管理やデータベース管理などの機能において、「もっと企業情報システムに本格的に対応してほしい」という要望も多く、その声に応えたのが、今回発表されたMovable Type Enterpriseとなっている。
シックス・アパートの代表取締役、関信浩氏は、「日本では、早くから企業システムにおいてのブログ活用が注目されてきた。そこで企業向けのMovable Type Enterpriseは、世界に先駆けて日本で発表することとなった」と言う。
シックス・アパートでは2005年10月より、Movable Type Enterpriseの開発拠点を日本に移管し、日本の顧客企業のニーズに即した機能強化を行ってきた。また2005年12月には、日本オラクルと共同で、「Oracle Database 10g」に対応したMovable Type Enterpriseを開発することも表明している。
今回、企業向けの機能として搭載されたのは、Oracle Database 10g対応のほか、大量のユーザーをCSVファイルから一括でMovable Type Enterpriseに登録できるユーザー登録機能や、LDAPやSSO(シングル サインオン)などと連携することで、ユーザー管理を効率化する機能など。これら企業向けの新機能により、従来型のウェブサイト制作に比べ、工数やコストを10分の1に低減することができるとしている。
Movable Type Enterprise日本語版の発表にあわせて来日したSix Apartの共同創設者兼社長のMena Trott氏は、「企業向けブログに対する注目度は高くなっており、ビジネスブログ市場は確実に拡大している。この市場は日本がリードしていることから、まず日本で製品を発表することにした。今後は、企業向けの機能を個人向けのMovable Typeにも反映していくことになるだろう」と話している。
Movable Type Enterprise日本語版の価格は、1サーバ/1ユーザーのライセンスパックが50万円(税別)、メンテナンス価格が2年目より年間15万円となる。なお、ユーザーの追加ライセンスパックは、5ユーザーあたり2万5000円より。シックス・アパートのパートナーネットワークである「ProNet」のメンバー企業やシステム販売会社などを通じて販売される。同社では、2007年度までに500社への導入を見込んでいる。
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