ライブドアの企業買収をめぐる証券取引法違反の疑い(関連記事)は、1月17日の株式市場を直撃した。ライブドアショックにより、平均株価は2005年以来最大の下落幅となり、IT・インターネット関連株も幅広く売られた。
夜通しで東京地検特捜部の強制捜査、押収が行われた後に実施された1月17日早朝の記者会見を受けて始まった株式市場では、ライブドアに朝方から売り注文が殺到し、値がつかない状況が続いた。終値は前日比100円安(14.37%安)の596円と値幅制限いっぱいまで下落するストップ安だった。値段は付いたが、およそ2億6000万株の売り物を残している。
ライブドア関連企業で株式を公開している企業は、相次いで今回の件に関して「現時点において関係事実の調査・全容把握に努めており、関係事実を把握し次第開示を行う方針」と発表したが、関連会社の株も総じて売り込まれた。表1はライブドアの関連企業の株価で、前日比の下落率順に並べたが、いずれも急落してストップ安銘柄が相次いだ。この中で、メディアエクスチェンジは、結局ストップ安の売り気配で値が付かなかった。
表1:1月17日のライブドア関連企業の株価動向
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ライブドア関連企業だけではなく、他のIT・インターネット関連株にも売りが広がった。次ページの表2では、IT・インターネット関連株を156銘柄ピックアップして、表1と同様に下落率順に並べた。156銘柄の平均騰落率は▲9.40%と大幅安となった。値上がりした銘柄は7銘柄しかないが、この中でアイ・ビー・イーは、第3世代携帯電話向けの長時間動画配信システム「Saver Live Server」を発表したことが好感され逆行高となった。一時はストップ高まで買われた。
ライブドアショックの影響は、こうした株価の反応だけではなかった。オンライン証券のマネックス証券では、以下5銘柄の保証金代用有価証券の掛目を、1月17日大引け後の評価よりすべてゼロに引き下げた。信用取引などをする際の委託保証金は、現金の代わりに株券など一定の有価証券で代用が可能で、この有価証券を代用有価証券という。代用有価証券は変動リスクがあるために、時価に一定率の代用掛目を掛けた価額で評価される。
つまり、この代用掛目がゼロということは、信用取引をする際に、この5銘柄の現物株式を有していても代用有価証券としては認めないというわけだ。この5銘柄の現物株を代用有価証券としている投資家は、保証金に見合う現金を払ったり、他の代用有価証券を差し出したりしなければならないだろう。こうした措置に他の証券会社が追随すれば、さらにライブドア関連企業の株価を押し下げる要因にもなりそうだ。
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