ベライゾンとAT&T、ネットの中立性問題で釈明:「計画しているのは専用サービスの構築」

文:Marguerite Reardon(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)
2006年03月27日 20時57分
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 ネバダ州ラスベガス発--米最大手電話会社2社の幹部が、ネットワークの中立性に関する誤解を解消するため、両社がコンテンツプロバイダーに提供したいと考えているサービスを説明した。

 Verizon Communicationsの広報担当バイスプレジデントのTom Tauke氏と、AT&TのシニアエグゼクティブバイスプレジデントのJim Cicconi氏は米国時間3月22日、ラスベガスで開催のトレードショー「TelecomNext 2006」において、公共のインターネット上を流れる他社のトラフィックを低下させたり、遮断したりする意図はないと語った。

 それどころか、AT&TとVerizonの両社は、自社のブロードバンド接続を通じて消費者に直接つながる仮想パイプをGoogleやMovielinkなどのコンテンツ企業に提供したいと考えている。これが実現すれば、コンテンツ企業各社は、一般家庭ユーザーに対し、自社コンテンツへの快適なアクセスを保証することができる。

 ネットの中立性の問題は、各通信事業者が自社ネットワークへのアクセス料金をコンテンツプロバイダーごとに変更えるのは妥当かという議論の中心となっている。ここ数週間、複数の議員がこの問題に対処するための法案を作成していることから、通信業界内ではこの問題に関する激しい議論が展開された

 Cicconi氏は、「これまで、現在われわれが構築しているネットワークと、われわれが今後どのようにサービスを提供しようと考えているかについて誤解があった」と述べた。「われわれが計画していることを一言で言えば、専用サービスの構築ということになる」(Cicconi氏)

 AT&TとVerizonはすでに、IPTV(IP経由の映像配信)向けの専用パイプを消費者に提供している。両社はともに、顧客に対して独自に映像サービスを提供しているため、映画のパケットがネットワークに入ってから各加入者宅に到達するまで、それらのパケットを管理している。

 公共のインターネット上で映像サービスを提供する競合企業が、AT&Tの専用サービスと同水準の品質を要求するのは適切ではない、とCicconi氏は主張した。

 Cicconi氏は、「これは全て、映画に関する議論だ」とした上で、「映画配信を計画している企業の中で、自社製品を確実にわれわれの製品と同水準の品質にしたいと考えている企業はごくわずかだ。あるいは、彼らは自分たちの利益のために、われわれの製品の質を低下させたいと考えている」と述べた。

 Cicconi氏によると、公共のインターネット上でAT&Tのサービスと同水準の映像配信を実現するには、新たな設備やネットワーク資源が必要になるため、あまりにコストがかかりすぎるという。

 Cicconi氏は、「われわれのサービスと同水準のサービスを提供したいのであれば、専用サービスを提供する必要がある」と述べ、「しかし、全くコストをかけずにそれを行うのは不可能だ」と付け加えた。

 ネットの中立性を支持する人々の一部は、電話会社の主張は理解できるとしながらも、競合するサービスを電話会社も提供していることから、自らの力を濫用するのではないかと懸念している。

 PacWest Telecomの規制問題担当バイスプレジデント、John Sumpter氏は、「二重サービスやVPNを消費者に提供すること自体は反対ではない」と述べる。「ただ、自社サービスに有利になるように他社を差別して欲しくないだけだ」(Sumpter氏)

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