アダルトサイト発行人が語る、対グーグル訴訟の意味 - (page 2)

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年03月13日 12時57分

--大学教授だったあなたが、どのような経緯でアダルト関連のコンテンツビジネスに手を出すことになったのですか。

 理由はいろいろあります。昔から女性が好きでしたし、女性を応援するために、出来る限りのことをしてきました。それに、Playboyのやっていることはおかしいと感じていました。Playboyは必要もない豊胸手術を女性たちに勧めていたからです。私はそうした手術に大反対でした。女性の身体は、そのままで十分美しい。豊胸手術を受けなければだめなのだと、女性たちに考えてほしくありません。そこで、豊胸手術を拒み、身体に手を加えていない女性だけを取り上げる雑誌を作ろうと思い立ちました。利益は出ると思いましたし、これはおもしろい挑戦だと思いました。ちょうど、友人がPlayboyのモデル選考に落ち、打ちひしがれていたこともあります。「彼女が自信を持つために、自分には何ができるだろう」「そうだ、雑誌を創って、そこに彼女を載せよう」と思ったのです。もちろん、これが最大の理由だったわけではありませんが、ひとつのきっかけになりました。もっと女性に敬意を払った雑誌を作りたい--それはビジネスになると思いましたし、友人を助けることにもなると思いました。

 それに、雑誌というのはなかなかいい商売です。普通なら会うこともできない人に、取材をすることができますからね。「Dion and the Belmonts」のDion DiMucci、「The Rascals」のFelix Cavaliere、それからMorgan Freeman、Ray Charles、Sugar Ray Leonard、Robin Williams、Sidney Pollackなど、何人ものすばらしい人々に話を聞くことができました。執筆陣も充実しています。編集長のDavid Blackを筆頭に、粒ぞろいのライターがそろっています。Davidは人気ドラマ「CSI: Miami」の製作総指揮を務めた人物です。

 われわれは全身全霊を傾けて、雑誌作りに取り組み、他に類を見ない、すばらしい写真を生み出すことに成功しました。われわれには、これらの写真から利益を得る権利があると思います。問題は、この権利を人々がよってたかって侵害し、われわれの努力の結晶から利益を得ていることです。そのなかには大企業も含まれています。

 Perfect 10に同情的でない人は大勢います。しかし、もし自分が苦労して立ち上げた事業、自分が誇りを持っている製品を、誰かが横からさらい、労せずに利益を上げようとしたら、こうした人々も憤るのではないでしょうか。現在の状況というのは、まさにそれです。

--裁判所は最終的に、どのような判決を下すと思いますか。

 直接侵害については、当社の主張が認められると確信しています。問題は、直接侵害の多くはロシアや中国で行われているため、侵害者を特定できないことです。間接侵害、二次侵害については、自分で複製をしなくても、当社の著作権画像を容易に利用できるという状況があります。

 ファイル交換サービス「Grokster」に対する訴訟は、著作権侵害に対する同社の二次責任を問うものでした。この裁判は長期に及んでおり、まだ完全には解決していません。もし裁判所の最終判断が、知的財産から利益を得ている人々に二次責任を問うことはできないというものだったら・・・つまり、著作権で保護されたコンテンツを自分で複製したのでない限り、著作権侵害に対する責任は問われないことになったら、映画の、楽曲の、そしてPerfect 10の未来は絶たれます。

--レコード会社や映画会社から、Perfect 10の著作権侵害訴訟を支援したいという申し出はないのですか。それとも、アダルトコンテンツを扱っているために、俳優Rodney Dangerfieldの決めゼリフではありませんが、「誰も私も尊敬してくれない」という気分を味わっているのですか。

 著作権侵害訴訟において、Perfect 10は理想的な原告とはいえません。訴訟を起こしたのが当社ではなく、映画会社だったら、はるかに良かったでしょう。Perfect 10は大変趣味のよい雑誌だと思っていますが、当社が映画会社ほど尊敬されていないことはいうまでもありません。

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