問題は、映画産業と音楽産業は、Groksterやその類の案件で手一杯になっているということです。
われわれの訴訟が自分たちの未来にどれほど大きな影響を与えるのかを、これらの企業が十分に理解しているとは思えません。Napsterは直接侵害訴訟ではなく、二次侵害訴訟でした。この訴訟では、レコード会社側が勝利を収めました。しかし、今回の訴訟は著作権を侵害しているサイトにリンクを貼っている企業に対して、著作権侵害の二次的責任を問うものです。この訴訟でわれわれが敗訴したら、細かい条件の違いはあるにせよ、検索エンジンだけでなく、基本的には誰もが、楽曲や映画の全編を公開しているサイトのリンクを集め、巨大なディレクトリを作成できるようになります。そのサイトにアクセスすれば、誰でも1クリックで楽曲や映画を手に入れることができる。そのような事態になったら、映画と音楽に未来はありません。
--今回、仮差し止め命令が出たことで、訴訟に参加しようと考えるレコード会社や映画会社が現れると思いますか。
控訴審には1社または数社が参加してくれるのではないかと思っていますが、確実ではありません。各社にとっては、これは政治的な問題です。しかし、控訴審に参加しないことは、彼らの失策だと思います。こうした大企業が参加すれば、第9巡回控訴裁判所での審理を、はるかに好意的に進めることができるからです。著作権を保持する大企業の参加を得ることは、当社にとっては死活問題ですが、その可能性がどのくらいあるかは分かりません。
--GoogleがPerfect 10の訴えを無視したのは、Perfect 10がレコード会社でも映画会社でもなく、アダルト雑誌の出版社だったからだと思いますか。
Perfect 10は小さな会社ですから、誰も気に留めないと思ったのかもしれません。
しかし今回、われわれは大きな勝利を収めました。私の知る限り、Googleを相手取った著作権侵害訴訟で、連邦判事が原告勝訴の可能性を示唆したのは、これが初めてです。判事のこの意見は、きわめて大きな影響力を持つ可能性があります。
--第9巡回控訴裁判所で敗訴したらどうなるのでしょうか。Perfect 10を廃刊しますか。
この裁判に敗れ、当社が著作物を保護できないことになったら、おそらくは雑誌を廃刊し、ウェブサイトのみを継続するでしょう。基本的には、あきらめるつもりです。私は8年の歳月と、何百万ドルもの資金をこの事業に費やしてきました。世間は私を訴訟好きと考えているようですが、私は裁判ほど嫌なものはないと思っています。
当社はいつでも、まずは示談の道を探ります。残念ながら、今回は示談ができず、告訴に至りました。その後も示談の可能性を探っていますが、まだ成功していません。
訴訟というのは、本当に嫌なものです。連邦判事の数が足りないので、法制度そのものが絶望的に渋滞しています。この訴訟は結果が出るまでに何年もかかる可能性があります。今後、どれだけのエネルギーを注がなければならないのかと思うと、気が遠くなります。他にもやるべきことはたくさんあるというのに、あらゆる細部、証拠、宣誓証言をめぐって争わなければなりません。訴訟はうんざりです。これ以上、法廷闘争を続けたくはないので、第9巡回控訴裁判所がどのような裁定を下すにせよ、Perfect 10を継続することができないなら、見切りをつけるつもりです。
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