新たに発表された報告書によると、クリーンエネルギー市場は、地球温暖化や石油価格の高騰などにより、2015年までに4倍以上に成長するという。
調査コンサルティング会社のCleanEdgeが出したこの報告書では、同市場は今後9年間で、現在の399億ドルから1672億ドルに成長することが予想されている。同報告書は、時流的な複数の要因により、化石燃料に依存しない太陽や風力などのエネルギーに対する関心が高まるであろうと主張している。
2年前には代替エネルギーに関心を寄せていたのはわずか数社であった。しかし現在では、General ElectricやArcher Daniels Midlandといった大手企業が、いわゆるグリーンテクノロジへの投資を拡大している。ベンチャーキャピタル企業による投資も増えている。
顧客の需要も伸びている。過去数ヶ月にわたり、ソーラーパネルのメーカー各社は、シリコン不足に悩まされている。Bush大統領から英Blair首相にいたる政界リーダーらも代替エネルギーを奨励している。
一部の代替エネルギー業界はこの傾向による恩恵を得るであろう。エタノールなどの生物燃料の製造および販売による売上高は、現在の157億ドルから2015年には525億ドルに成長する見込みである。タービンなどの風力エネルギー機器の売上高は現在の118億ドルから485億ドルに成長し、太陽エネルギーは112億ドルから511億ドルに成長するとみられている。
燃料電池は現在もなお開発段階にあるが、12億ドルから152億ドルに成長するという。売上高の多くは、燃料電池を専門とする新興企業などに政府が提供する研究助成金という形で得られることになる。
エネルギー消費の管理を向上するセンサーを製造する会社もまた、業績を伸ばすことが予想されている。
環境保全の将来はまだ定まっていないと、CleanEdgeは述べている。多様な代替エネルギー業界のメーカーは異なる技術的問題を乗り越え、消費者を獲得しなければならない。
また、国際エネルギー機関(IEA)などの組織によれば、世界各国における石炭、石油、そして天然ガスへのエネルギー依存は今後も継続されるという。さらに、石油やガスに替わる安くて適切なエネルギーが輸送手段用に開発されていない点はとりわけ問題だと、IEAでは述べている。
石油会社もまた、例えば自動車用のGTL(Gas-To-Liquids)燃料など、大気汚染の影響が少ない製品の開発を続けるであろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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