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ケータイの本当の価値を求めて

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 ソフトバンクがボーダフォン日本法人を買収する交渉中であるいう発表が、3月3日、英国のVodafone本社によってなされた。ソフトバンクは、すでに新規参入者として免許交付が決定している。にもかかわらず、既存事業者の買収を実施しようとする根拠とはなにか。

最下位でも立派な「通信事業者」

 業界最下位のボーダフォン。最下位とはいえ、依然として携帯電話のシェア17%弱=約1515万人の加入者を擁し、加入者1人当たり約6000円/月、年合計1兆5千億円の売上で約10%の経常利益を誇るれっきとした「大企業」であり、携帯電話通信を提供する免許を持った稀有な存在だ(加入者数は電気通信事業者協会発表、財務データはボーダフォン発表による)。

 過去に、業界初のインターネット互換電子メール「J-Skyメール」、カメラ搭載による「写メール」、そして初のアナログテレビ放送受信端末などを世に送り出し、昨今では大胆な各種定額制を導入。加えて通信事業者の禁区であるコミュニティ・アプリ「V-Community」を発表するなど、常に3番手としてユニークな存在をボーダフォンは主張してきた。が、昨今では、2番手のauに水をあけられる一方だった。

 昨今、ARPU(加入者1人当たりの月間売上)が低下傾向にある先進国から、インドやアフリカなど新興地域に資源を集中し始めたボーダフォンにとって、日本市場の取り扱いは「微妙」だ。他国市場との比較で行けば、依然、高ARPUであり、外部コンテンツパートナー(CP)との連携により比較的少ないリスクで収益を確保できる日本市場は、現状のみを見れば決して悪い市場ではないだろう。ましてやグローバル企業としてのボーダフォンにとって、ケータイサービス先進国である日本はマーケティングテストベッドとしての価値も低くない。

 しかし、低い業界内地位と伸びないシェアに加えて、高い顧客獲得コストや日本固有の端末仕様、端末販売時の費用補填などの費用の大きさといった現状の事業への直接インパクトを考慮すると、長期的に世界市場全体の中では優先順位が低くなってしまっても致し方ないかもしれなかった。そのため、以前から日本市場撤退の噂は何度となく出ていたことも事実だ。

大変化が連続する予定の携帯電話市場

 加えて、今後、日本の携帯電話市場には大きな変化が生じることが確定になっている。

1.ワンセグ放送の正式開始(2006年4月)

 総務省など政府から「放送通信融合の先駆」として位置づけられている移動体向けデジタル放送が正式に開始される。すでに発売になっているauとNTTドコモの対応端末の販売状況は良好で、ノートPCやカーナビへの搭載率も増加するだろう。ちなみに、ボーダフォンは夏に対応機種を販売する予定となっている。

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