英国に本社を置くVodafone Groupは3月4日、日本法人であるボーダフォン株式会社の株式の過半数をソフトバンクに売却することで協議していることを認めた。これまでも一部で報道がなされてきたが、Vodafoneが正式に認めるのは今回が初めて。
Vodafoneは現在世界戦略の見直しを進めており、成長率の高いインドなどの発展途上国に経営資源を集中させる方針を打ち出している。日本市場については、英国の通信方式であるGSMとは異なるW-CDMA方式を利用していることもあり、Vodafoneの強みである規模の経済効果が出せないといった課題を抱えていた。
一方、ソフトバンクはADSLに次ぐ新たな成長戦略として、携帯電話事業への参入を表明している。2005年には総務省から認可を受け、現在は2007年4月の事業開始に向けて実験を進めている段階だ。しかし、当初の割り当て周波数が5MHz幅(250万加入分)と少ないこと、2007年の段階ではサービスがデータ通信のみで、音声端末を使ったサービスは2008年以降となることから、既存事業者に対抗するには自社だけでは難しいと判断したもようだ。
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