Windows Vistaのコードを完成させるべく開発作業に取り組むMicrosoftが、同OSのバージョンに関する決定を下した。
MicrosoftがWindows Vistaとして提供するエディションは、「Ultimate Edition」を含む6種類。Ultimate Editionは、企業向けバージョンと消費者用バージョンの最良の部分を組み合わせたものになる。同社では2007年の後半には、全バージョンをリリースしたいとしている。
MicrosoftのBarry Goffe(Windowsクライアント部門ディレクター)は、「異なるニーズを持つ顧客それぞれに合った製品を確実に提供できるようにしたい」と述べている。
Ultimate Edition以外に消費者が購入できるのは「Vista Home Basic Edition」と「Vista Home Premium Edition」。一方、企業が選択できるのは「Vista Business Edition」と「Vista Enterprise Edition」の2つとなっている。ただし、ハイエンド向けのVista Enterprise Editionは、ボリュームライセンスプログラムを利用する顧客にのみ提供される。また同社では、新興市場向けに「Vista Starter Edition」を投入する予定だが、これは新しいPCに搭載される形のみで出荷される。
Microsoftは、バージョンに関する正式な決定を米国時間2月27日に発表する予定だ。今回の決定は、小規模企業向けのバージョンがないという1点を除けば、これまで同社が思い描いてきたものと一致する。同社は小規模企業向けバージョンを用意しない代わりに、バックアップ機能の強化や、チュートリアルの追加といった小規模企業向けのさまざまな改善項目をVista Business Editionに追加する。
また、Windows XPでは「Media Center Edition」および「Tablet PC Edition」が別に用意されていたが、Vistaではこれらの機能をHome Premium EditionとUltimate Editionに統合する形で提供する。また、Tablet PCの機能は、Vista BusinessとVista Enterpriseの両エディションにも搭載される。
GoffeはWindows XPについて「顧客に妥協を強いていた」と述べ、「これまでは、素晴らしいメディアエクスペリエンスをすべて享受するか、それともモバイル関連の機能すべてを手に入れるか、のどちらかしかなかった。『家庭でのエクスペリエンスも、ビジネスでのエクスペリエンスも最上のものが欲しい』という顧客には選択肢がなかった」と付け加えた。
Goffeによると、「Ultimate Edition」はこうした要望に対する答えだという。「仕事でも家でも同じPCを使うという人が増えている。この傾向は、小規模企業では特に顕著だ。すべてのものを1つにした製品を提供したい」(Goffe)
Microsoftが次期Windows Vistaについて6バージョンを投入することに決定した。各バージョンの概要は以下の通り。
Windows Vista Starter Edition
Windows Vista Home Basic Edition
Windows Vista Home Premium Edition
Windows Vista Business Edition
Windows Vista Enterprise Edition
Windows Vista Ultimate Edition 注)Microsoftはほかに「Home Basic Edition」と「Business Edition」の「N」バージョンを欧州で提供していく。これらのOSでは「Windows Media Player」が非搭載となる。 |
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス