News.comは米国時間26日、Microsoftのプラットフォーム製品およびサービス部門で共同プレジデントを務めるJim Allchinにインタビューし、読者から寄せられた同氏への質問をぶつけた。
完成間近の次期オペレーティングシステム(OS)「Windows Vista」の責任者として、Allchinは当然ながら多忙を極めているが、CNET News.comの読者が提起した質問に答えてくれることになった。
Vistaの出荷はXPの発売から5年が経過した2006年末に予定されているが、興味深いことに、多くの読者がVistaにアップグレードしなければならない理由を納得のいくように説明して欲しいと願っているようだ。
--マサチューセッツ州ノースハンプトンの弁護士Leon Malinofskyからの質問を紹介します。一般の個人ユーザーは、高精細画面でエンターテインメントを楽しもうというところまで、意識が追いついていないと思います。こういうユーザーにとって、Vistaに乗り換える必要はあるのでしょうか?ごく平均的な個人ユーザーにとって、魅力的な機能は何でしょうか?
安全性とセキュリティです。これらは、大半のユーザーに対してWindows Vistaの買い替えを促すうえで、最も重要な機能です。ホームエンタテインメントや専門分野に関係ない事柄ですが、Vistaを使えば安心感が増し、より高い安全性を確保できます。マルウェア対策やフィッシング詐欺対策の機能もあります。Internet Explorer(IE)をサンドボックスモードで利用して、悪質なページにアクセスしたり、システムにマルウェアをインストールされたりするのを防ぐこともできます。
--カリフォルニア州ランチョクカモンガのソフトウェアコンサルタントSteward Hardtからの質問です。Vistaの新機能は「Mac OS X」といったほかのOSにすでに搭載されているという意見に、どう答えますか? Mac OS XはWindowsより頻繁にアップグレードされていますが、Microsoftはそうした動きを追随しているだけなのではありませんか?
Appleのアプローチと当社のアプローチとでは、多数の相違点があります。何よりも異なるのは、MicrosoftはWindowsを多くのパートナーと連携可能なプラットフォームだととらえていることです。つまり、利用可能なアプリケーションの豊富さという点で、Windowsに並ぶものはないのです。こうした特徴は今後も変わることはなく、何か特別な目的を持ってアプリケーションを使用する必要が生じた場合も、Windowsならそれが可能になります。
企業における利用という面でも、特にモバイル分野においては、Windows Vistaの汎用性はほかのOSよりはるかに高いと思っています。Appleのシステムでは、IT専門家が望むような包括的な機能を実現することはできないでしょう。
家庭で用いることを考えても、Windowsのゲーム対応性能は抜きん出ています。また、Microsoftが音頭を取って進めている技術革新に関して言えば、すでに開発済みの「Media Center」やテレビとの融合などは非常に影響力が大きいと言えるでしょう。Microsoftは「Tablet」や手書き認識という分野にも取り組んできましたが、Appleにはそうした製品はないはずです。Appleは優れた製品を提供している、すばらしい企業です。同様にMicrosoftも、一般大衆が資金を投じてもよいと考えるような驚くべき製品を開発し、販売しています。
--次はDwayne Altonからの質問です。Microsoftでは、家族向けのパッケージ製品をリリースしたり、複数のPCを利用している家庭がVistaへアップグレードしたりするのを支援するような制度を実施する予定はありますか?
それはたいへん良いアイデアですね。わたしも賛成です。社内でも、ビジネスとして成立させるための話し合いが進むでしょう。そうした製品や制度の必要性はよくわかっているつもりです。
--イタリアに住むDavid Shawは、エンタープライズ分野におけるVistaに関して質問しています。セキュリティに重きを置く、同氏のような企業ユーザーにとって、Vistaへのアップグレードはどのようなメリットがあるのでしょうか。なお、Shawの仕事部屋には、ハイビジョンテレビをすぐに設置することはできないそうです。
セキュリティに関しては、先ほど述べた通りです。Windows Vistaにはセキュリティおよび安全性における多数の機能が搭載されており、対策に手間取ったり、不安を感じたりすることにはならないはずです。この問題は置いておくとして、ほかの機能について話します。業務効率を向上させる特徴を紹介しましょう。Vistaに追加されたアプリケーションは非常に魅力的なもので、新たなWindows FX APIを利用する以前には得られなかった付加的な情報を活用できるようになります。
モバイルユーザーであれば、職場から自宅へノートPCを持ち帰った際などに、情報を迅速に転送できるという特徴が役に立つでしょう。現行のWindows XPでは、こうしたことを実現するのは実に困難です。職場のドメインに接続しているラップトップを家に持ち帰った場合は、プリンタを利用するだけでも一苦労です。あるいは、そうしたラップトップをスターバックスなどに持ち込んで使用するユーザーからは、「ファイアウォールポートをどうやって設定したらよいのだろう。セキュリティが心配だ」という声が聞かれていました。Vistaでは、こういった問題が解決されています。
われわれは「Windows Collaboration」などの機能をVistaに搭載することで、ユーザーエクスペリエンスの向上を図っています。スターバックスであろうと会議室であろうと、ユーザー同士で随時打ち合わせができますし、ワイヤレスでプロジェクターに画像や映像を表示することも可能です。即時性が極限まで高められているのです。
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