あるベンダーの製品が次世代DVDに対応するかどうかを説明した情報を探し出すのは、今のところ非常に困難だ。
わずか3カ月後には次世代DVDが店頭に並ぶというのに、これらのディスクに採用されるコピー対策技術が正式に発表されておらず、そのことも問題の一因となっている。もっとも、ある業界団体では「Advanced Access Content System(AACS)」と呼ばれる技術の開発に取り組んでいる。AACSは「HD DVD」と「Blu-ray Disc」の両方に採用される予定で、早ければ来週にも作業の成果が公表されると見られている。
大方の予想では、HDCP技術がこれらの規定の重要な部分になりそうだ。Microsoftは昨年Windows Vistaを先行公開した際、コンピュータメーカー各社に対して、HDビデオの規定に対応するためにIntelの開発したHDCPを採用していくよう呼びかけたが、これは異例のことだ。
AACSグループの作業に参加するIBMのエンジニアDon Leakeは米国時間15日、IntelのHDCPが新しい著作権管理規定の認定を受けたことを正式に認めた。
しかし、このことが消費者を待ち受ける新たな地雷になる可能性もある。
たとえば、グラフィックカードメーカーのATIでは、自社の最上位製品の一部を「HDCP対応」とうたっており、最新製品の「All-in-Wonder X1900」は「HD DVDを簡単に再生できる」としている。
しかし同社は「対応」の意味を正確に説明していない。次世代DVDを最高品質で再生するには、グラフィックカードが単に「対応」するだけでは不十分で、実際にはHDCPを有効にする必要があるが、ただしこれを有効にできるのはコンピュータメーカーかATIに限られる。
一方、もうひとつの大手グラフィックカードメーカーであるNvidiaも、HDCPのサポート機能を自社の設計するチップに内蔵しているが、ただしこの機能を有効にするかどうかの判断はコンピュータメーカー各社に任されると説明している。そして、いまのところこの機能を有効にしているメーカーはほぼ皆無であることから、ゲームマニアやハードウェアマニアらはそのことに対する痛切な批判を浴びせており、この状況を「悪夢」と呼んでいる。
「われわれは確かにエンドユーザーのことを懸念しており、また混乱がないよう確実を期したいと考えている」と ATIのマーケティングディレクター、Godfrey Chengは述べている。「しかし、この機能を有効にしたいかどうかについてはその判断をボードメーカーやコンピュータメーカー各社の手に委ねている」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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