サンフランシスコ発--Sunのサーバ部門最高幹部は米国時間25日、同社が富士通と進めてきたサーバ事業に遅れが生じており、製品発表が来年にずれ込む可能性があることを示唆した。
Sunと富士通は、両社が2004年に交わしたAPL(Advanced Product Line)契約の下で、富士通のSparc64 VI「Olympus」プロセッサを搭載したサーバを発売する予定だった。だが、SunのDavid Yen(スケーラブルシステムグループ、エグゼクティブ・バイスプレジデント)は当地にある同社オフィスで記者団と懇談し、8基以上のプロセッサを搭載した上位機種は2007年まで登場しそうにないと述べた。
「APLプロジェクトは、当初の予定よりも数カ月遅れている。4基もしくは8基のプロセッサを搭載したローエンド機種を先に、おそらく年内に発表できると思う。また、16基、32基、64基のプロセッサをそれぞれ搭載したハイエンド機種の登場は来年上半期になるだろう」(Yen)
両社の提携関係は、Sunが同社製品に2008年登場予定のハイエンドチップ「Rock」を搭載することを重視し、「UltraSparc V」プロセッサの開発を断念したことで生じた製品ラインの不足を埋めるうえで重要な意味がある。APL契約の下で、富士通はUltraSparc T1「Niagara」チップを搭載する「T1000」および「T2000」という2種類のサーバを販売し、Sunは富士通が主に設計したOlympus製品ラインを販売することになっている。
今回の遅れによって生じる製品ラインの不足は、Sunの現行製品で埋めることができるかもしれない。Sunは、2005年第4四半期に「UltraSparc IV+」搭載システムの需要を過小評価していた。同チップについては、1.8GHz版を生産する計画が明らかにされているが、Yenは「それ以上の(速度で動作する)チップの生産も可能だ」と述べた。
富士通の「Olympus」プロセッサは、開発スケジュールに遅れが出ている。同社は2003年に、Olympusの発売時期を2005年後半としていたが、2005年になるとこれを2006年まで延期した。Olympusは、現行の「Sparc64 V」チップと同じく、デュアルコアを搭載するが、ただしそれぞれのコアが同時に別のスレッドを処理できる点がSparc64 Vと異なる。
Olympusは設計の点でSunのUltraSparc IV+と異なるものの、UltraSparc IV+搭載システムからOlympusシステムへの移行は簡単に行えることになるとYenは語った。「Olympusを UltraSparc IV++とみることもできる。顧客は(移行後に)アプリケーションの処理が高速になったことしか気付かないだろう」(Yen)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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