トレンドマイクロは1月23日、同社にとって初となるスパイウェア対策専用ソフト「スパイバスター2006」を2月10日から販売すると発表した。価格はパッケージ版が4725円、ダウンロード版が3570円。今後1年間で50万ユーザーの獲得を目指す。
スパイバスター2006は、「スパイウェアの進入・活動を包括的に対策」(コンシューマビジネス統括本部プロダクトマーケティングマネージャの田中淳一氏)するものとして、スパイウェアの侵入を監視し、またPC内で潜伏・活動するスパイウェアに対して検索・削除、さらにスパイウェアによる情報流出を予防策も講じる。
侵入に際して、ActiveXやダウンロードされるプログラムを監視し、プログラムのインストールや実行状況、Windowsそのものやブラウザの設定情報をも監視する。具体的には、ブラウザを立ち上げた際のホームページ、検索ページ、プロクシ設定、セキュリティ設定などがあり、Windowsではホストファイルやセキュリティポリシー設定、スタートアップなども監視対象となる。具体的な項目数は「150以上の領域を監視する」(田中氏)という。
検索・削除では、「CoolWebSearch」と呼ばれるスパイウェア専用の駆除ツール「CWシュレッダー」を搭載する。CoolWebSearchは、ブラウザのホームページ設定を書き換えたり、多数のポップアップ広告を表示するなどのさまざまな動作をするが、削除しても復活するという悪性のスパイウェア。このため、田中氏は「CoolWebSearchは手動で削除するのが難しい。そこで専用対策ツールを搭載した」と説明している。
情報流出の予防については、Windowsのゴミ箱や一時ファイル、Outlook、InternetExplorerなどの履歴情報を一括削除することで、IDやパスワード、住所、名前、電話番号などの重要情報の流出を防ぐ。また、クッキーも一括管理する。クッキーを検出して、有害なクッキー、信頼するクッキーといった形でクッキーを分類する。危険度が高いクッキーは、常に削除するように設定することもできる。
スパイバスター2006を販売することについて、コンシューマビジネス統括本部統括本部長でバイスプレジデントを務める沢昭彦氏は「昨年の7月に銀行のネットバンキングで、11月に地銀で、それぞれスパイウェアが関係した不正送金事件が起きており、スパイウェアは社会問題になりつつある。そういった緊急性の高い問題に対して、トレンドマイクロとして対応する必要があると判断した」と説明している。
トレンドマイクロでは、ウイルス対策ソフトとして「ウイルスバスター」を提供しており、ウイルスバスターでもスパイウェア対策機能を搭載している。ウイルスバスターとスパイバスターの違いについて、沢氏は「スパイバスターは、検索機能ではウイルスバスターとほぼ同じだが、スパイウェアの除去機能の点で、スパイバスターの方がきめ細かい対応ができる。履歴情報の一括削除やCWシュレッダーなどがそうだ」と説明している。
スパイバスターは、トレンドマイクロが2005年に買収した、スパイウェア対策専業メーカーの米Intermuteのスパイウェア対策専用製品をベースにしている。スパイバスターに配信される定義ファイルは、「ウイルスバスターに配信される定義ファイルとは異なる」(田中氏)としている。
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