サンの創業メンバーが再会--アップルとの秘話も明らかに

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部)
2006年01月13日 22時13分
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 カリフォルニア州マウンテンビュー発--Sun MicrosystemsのCEO(最高経営責任者)、Scott McNealyは、1982年に同社を立ち上げる際に実は協力を渋っていた。だが、シリコンバレーにあるMcDonaldで接待を受けて考えを改めた。

 米国時間11日、当地にある「Computer History Museum」で行われたパネルディスカッションに、同社の創業に関わったScott McNealy、Vinod Khosla、Andy Bechtolsheim、Bill Joyの4人が顔を揃えた。4人は、同社の過去を振り返ったほか、未来についての予言も語った。

 Khoslaは、McDonaldで接待について、自分とMcNealyがベンチャーキャピタリストと話をつけ、サンへの最初の出資の約束を取り付けた直後のことだったと語った。Khoslaは、「われわれは外に出ると、駐車場で腰を下ろした。Scottは私に『決心が付かない』と言ってきたので、パロアルトのPage Mill RoadにあるMcDonaldで豪勢な夕食をおごった」と明かした。同氏はその晩、Onyx Systemsで働いていたMcNealyに年俸4万ドルの仕事を辞めて、Sunの立ち上げを手伝うよう強く迫ったという。

 McNealyは、「Vinodが『いつ辞めるのか』と聞いてきた」とその晩のことを振り返った。同氏がためらうと、Khoslaが「『ここまできて見捨てるようなことはしないでくれ。君が創業者なのだ』と言ってきた。そこで自分はすぐに『そうだね、分かったよ』と答えた。あっという間のことだった」とMcNealyは語った。

 Khoslaは、1986年にSunを退社後、ベンチャーキャピタルのKleiner Perkins Caufield & Byersに参加し、ゼネラルパートナーに就任。また、Joyも2005年に同社を離れた。一方、Bechtolsheimは1995年にSunを退社してギガビットイーサネット関連の新興企業Granite Systemsを立ち上げた。同社は後にCisco Systemsに買収された。Bechtolsheimは、次に設立したKealiaがSunに買収されたことを受け、2004年に同社に復帰し、x86サーバシリーズ「Galaxy」の開発に携わった。

Appleとの関係

 SunがかつてApple Computerの買収を試みたことは周知の事実だが、Joyによると実は両社は何度か合併交渉を進めたことがあったという。「Appleと合併寸前までいったことが、ほかにも2度ほどあった」(Joy)

 Joyは、Appleとはほかにも提携する機会があったと付け加えた。同氏によると、MicrosoftとAppleが共通のファイルプロトコル開発を試みたとき、Appleにユーザーインタフェースの統合を持ちかけたとき、そしてMotorolaの680x0プロセッサファミリーからの乗り換え時に、(今週のIntelベースMac登場により消える運命にある)PowerPCチップではなくSunのSparcプロセッサに切り替えるようAppleに勧めたときなどに、両者の提携する機会は何度かあったが、いずれも物別れに終わったという。

 「もう少しでAppleにSparcを採用してもらうところまで話が進んでいた。あと一歩だった」(Joy)

 Appleとのニアミスは合計「6回あった」と同氏は指摘した。Sunで長年CTO(最高技術責任者)を務めたJoyは、それが1つもうまくいかなかったことが「個人的には非常に残念だ」と語った。

 McNealyは、Appleの共同創業者であるSteve Jobの自宅に自分が足を運び、ユーザーインタフェース関連の提携を検討したことがあったと付け加えた。Jobsは、穴のあいたジーンズをはき、裸足で「木陰に座り、『How to Make a Nuclear Bomb(原子爆弾の作り方)』を読んでいた」とMcNealyは語った。同氏によると、この時にはインタフェースの話には「何の進展もなかった」という。

 KhoslaもJobsをほめちぎった。Jobsは、Oracle CEOのLarry Ellisonや、Intelの元CEO、Andy Groveと並ぶ理想の人物だという。Jobsは「情熱的に心から自分のアイデアを信じる人物だ。他人が何と言おうと信念を貫く」と語った。Khoslaによると、その決断力と自信こと、同氏が成功している大きな理由だという。

 McNealyもこれまで折に触れてJobsをほめてきた。だが、同氏はこの日、まだiPodで音楽を聴いた経験がないことを認めるとともに、現在高い人気を誇るiPodにもいずれはブームが去る時がくるだろうと述べた。ボイスメールの保存に適しているのが一元管理されたサーバであるのと同じように、楽曲の保存に適しているのは各種の端末からアクセスできるネットワークだと、同氏は語った。

  「iPodは家庭にある留守番電話のようなものだ。一時的な流行で終わる」と同氏は語った。「5年後には、どこにいようと、携帯電話から自動的にライブラリにアクセスできるようになる。その時には、iPodはあまり売れなくなるだろう」(McNealy)

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