新しい高速版Wi-Fi規格の策定作業が再開する可能性があると同標準化プロセスの関係者が明らかにした。この作業は、2005年終わりに頓挫してから数カ月にわたって難航していた。
802.11nと呼ばれる同仕様の改訂ドラフトは、来週ハワイで開催される802.11n作業グループの会議で発表される見通しで、正式な規格ドラフトとなるために必須である75%の賛成票も得られるものとみられている。
Motorolaの規格担当バイスプレジデントMike Pellonは、「見通しは非常に明るい。分裂の危機は去ったと思われる。分かれていた意見がここ数カ月でまとまってきた」と語っている。
802.11nの残りの標準化プロセスがこのまま予定通りに進めば、高速Wi-Fi技術をサポートした製品が12〜18カ月以内に発売されると、同氏は語っている。
802.11n作業グループは、IEEE(米電気電子通信学会)内部で設置されてから1年以上が経過している。同作業グループは、無線LANのデータ転送速度を4倍に高める次世代Wi-Fi技術MIMO(Multiple Input/Multiple Output)の標準化を目指している。
この規格は2005年春、対立グループ間で意見の相違が生じていた。対立グループの一方はIntel主導のもので、もう一方はAirgo Networksという小さな会社が主導した。Airgo NetworksはMIMOベースのチップを現在発売中の唯一のベンダー。ところが、Intelの支持する提案が頓挫したことで両陣営は行き詰まってしまった。IEEEのトップたちはこれを受け、共同提案チームを設置してメインとなるこれら2つの提案の仕様を組み合わせ、1つの規格ドラフトを作成するよう両陣営に指示を出した。
しかし10月になると、Intelと26の企業がEnhanced Wireless Consortium(EWC)という分離団体設立を発表し、IEEEのプロセスを妨害する動きに出た。この新コンソーシアム設立に際しては、Wi-FiチップメーカーのBroadcom、Marvell Technology Group、そしてAtheros CommunicationsがIntelに加わっていた。同グループは、11月のIEEE会議に提案を提出する計画だった。この会議では、先の共同提案チームも規格ドラフトを最終承認するとみられていた。
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